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ISASニュース

「宇宙学校・東京」開催

No.393(2013年12月)掲載

11月3日(日)の文化の日に、「宇宙学校・東京」が、東京大学駒場キャンパスにて開催されました。会場は小中学生を中心に540人の参加者でいっぱいになりました。

1時間目は「宇宙を探る」というテーマで、松浦周二先生の「赤外線で宇宙のはてをみる」と、私の「小惑星のかけらを持って帰ろう(はやぶさ2、ソーラーセイル)」という2つの授業がありました。松浦先生の授業は、赤外線を用いて遠くの宇宙を観測することで宇宙の起源に迫るという内容で、とてもワクワクするようなお話でした。子どもたちも、宇宙はどうやってできたのかということには興味があるようで、難しい質問がたくさん出ました。私の授業はサンプルリターン・ミッションについてで、現在開発が進められている小惑星探査機「はやぶさ2」と将来計画を紹介しました。

2時間目のテーマは「宇宙に飛び出し、宇宙で調べる」で、後藤健先生の「ロケットや衛星を軽く丈夫に作る」と、吉崎泉先生の「宇宙ステーションと宇宙実験」という2つの授業が行われました。後藤先生の授業では、宇宙で使用されている材料の紹介と、複合材料に関する研究の紹介がありました。子どもたちも、宇宙船は軽くつくることがとても大事で、それは簡単なことではないということがよく分かったようでした。吉崎先生の授業は、国際宇宙ステーションと宇宙飛行士の仕事に関するもので、私自身も普段知ることのできない宇宙ステーションでの宇宙飛行士の生活について大変面白く聴かせていただきました。

私は宇宙学校の参加が初めてだったのですが、子どもたちからの質問の多さと質に驚きました。阪本成一校長先生が困るくらい多くの子どもたちが手を挙げ、先生たちが答えに困る高度な内容の質問も数多くありました。宇宙に興味がある子どもたちがたくさんいることを知ることができ、我々も大変やる気が出てきました。とても貴重な機会をいただき感謝しております。

(佐伯孝尚)

元気に「はい!」。質問の質の高さにもびっくりです。