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ISASニュース

イプシロンロケットがグッドデザイン金賞を受賞!

No.393(2013年12月)掲載

「イプシロンがグッドデザイン賞一次審査通過!」。そのニュースの後しばらくして、私はグッドデザイン賞(以下、G賞)の応募作業を引き継いだ。よく事情が分からない中、二次審査の準備を急ぎ進めることとなった。責任重大だと思った。

二次審査は8月23日で、現物審査と対面審査。現物審査は、審査員が現物を触って「グッドデザインかどうか」を判断する。イプシロンは現物を審査会場に持ち込めないので、1/20模型と動画を置いた。続いて3分間の対面審査。打上げ直前でありプロジェクトメンバーには支援を頼めないし、たった3分でイプシロンの素晴らしさをアピールしないといけない。かなり準備して臨んだ。対面審査の最後に、「もうすぐ打上げ?じゃ、G賞もその結果次第だね」と言われた(当時の打上げ予定日は8月27日)。審査員たちが去っていった後、「大丈夫、大丈夫」とイプシロンをなでて、退室した。そして二次審査の結果を待つ中、イプシロン打上げが延期となった。

ところが、9月10日に二次審査通過の連絡。しかもベスト100に入ったという。打上げが延期になり、たくさん報道されてイプシロンの知名度が一気に上がったことが、逆にG賞審査に良い影響を与えたのか?などと思った。そして、とうとう9月14日にイプシロン打上げ成功。G賞審査員も「(もうベスト100に選出しちゃったんだから)頼むよ〜!」という気持ちで打上げを見ていたという。

さぁ、次に狙うは特別賞。大きな賞を取りたいところだ。その審査のために再度、展示。模型を置き、一般客も来場するので打上げの動画も流した。お客さんたちが打上げシーンに見入っていた。続いて11月2日に森田泰弘プロジェクトマネージャーのプレゼンテーション。居並ぶ強豪のさまざまなプレゼンの中、森田プロマネはピカイチだったと思う。理系の若者が聞いていたら、こんなプロマネのもとでロケット開発に携わりたい、そう思ったに違いない。そして審査員の心をも動かしたに違いなく、イプシロンは見事、グッドデザイン金賞を受賞した。

(小澤佐織)

グッドデザイン・ベスト100デザイナーズプレゼンテーションに登壇する森田プロマネ