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ISASニュース

第7回「ひので科学会議」(Hinode-7)in 高山

No.393(2013年12月)掲載

11月12〜15日、第7回「ひので科学会議」(Hinode-7)が紅葉に映える飛騨高山の飛騨・世界生活文化センターにて開催されました。世界各国から太陽研究者が集うひので科学会議は、2006年に太陽観測衛星「ひので」が打ち上げられた翌年から、アメリカ、ヨーロッパ、日本の各国の持ち回りで毎年開催されており、日本での開催は2009年に東京で行われた第3回会議以来となります。

「ひので」はこれまでに700編近い査読論文を生み出してきましたが、2008〜10年に異常ともいえる太陽活動の低迷期があり、静穏領域の観測に多くの時間を充ててきました。現在、太陽は第24活動極大期を迎え、今回の会議は「ひので」が新たに生み出しつつある活動現象の研究成果にも焦点を当てたものとなりました。また、その間Solar Dynamics Observatory、IRIS衛星、SUNRISE気球望遠鏡、地上ではビッグベア太陽観測所の1.6m望遠鏡など新しい観測装置が稼働を開始し、「ひので」と相補的なデータが得られるようになりました。それらのデータと「ひので」による観測を組み合わせて新たな成果を創出することも、大きなテーマでした。

アクセスが決して良くない開催地にもかかわらず、海外から16ヶ国延べ142人、日本人を加えて242人が参加し、口頭発表とポスター発表の数はそれぞれ60件と170件に上りました。また11月11日には国際協力で検討を進めている次期太陽観測衛星SOLAR-Cの科学会議を開催し、「ひので」の先を見据えてSOLAR-Cが目指すサイエンスについて熱い討議が行われました。会議の最終日には、京都大学飛騨天文台と東京大学宇宙線研究所のスーパーカミオカンデへのエクスカーション(見学会)に120人を超える方々が参加しました。1週間にわたって大変密な研究会となりましたが、参加者全員にとって今後の大きな糧になったのではないかと思います。

なお、今回ひので会議の開催に当たっては、国立天文台、宇宙科学研究所、日本学術振興会、高山市、岐阜県から多大な援助を頂きました。ここにあらためてお礼申し上げます。会議情報は以下URLでご覧になることができます。
新しいウィンドウが開きます http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/hinode-7/

(京都大学理学研究科附属天文台 一本 潔)

500名収容のゆったりとしたホールで行われた講演