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ISASニュース

ノーベル賞を生んだ地で「宇宙学校・ひだ」を開催

No.392(2013年11月)掲載

10月27日に岐阜県飛騨市の船津座で「宇宙学校・ひだ」が開催されました。飛騨市神岡町は小柴昌俊先生がノーベル物理学賞を受賞する契機となった研究施設「カミオカンデ」があった場所であり、現在もスーパーカミオカンデなど世界最先端の宇宙物理学の研究拠点があります。

当日は、小学生、中学生やその保護者、約180名が参加し、2時限の授業を受講しました。最初に、阪本成一校長先生よりJAXAの果たす役割の説明があり、さまざまな分野の研究者が力を合わせて宇宙の成り立ちなどについて研究していることを教わりました。

1時限目の授業は「日本の惑星探査機いろいろ」というテーマで石井信明先生から、日本が打ち上げたいろいろな探査機について説明がありました。特に金星の大気を観測する「あかつき」について、模型を使い、「探査機に必要なものは何だろう」といった質問を会場に投げ掛けながら、小惑星探査機「はやぶさ」との違いなどにも触れて説明されました。石井先生からは「地球と条件の違う惑星などを調べて比較することで、逆に地球を知る手掛かりが得られる」など、今まで思ってもいなかった研究目的の一端を知ることができました。会場では「探査機の電池が切れたらどうなりますか?」「探査してみたい惑星はどれですか?」など多くの質問が飛び交いました。

2時限目の授業は「宇宙線で見る神岡と宇宙科学」というテーマで福家英之先生から、気球による観測によって人類が初めて宇宙線の存在を知ったことなどの説明がありました。神岡にある東北大学の研究施設「カムランド」にもJAXAの気球技術が活かされていることなど、とても身近でありながら今まで知らなかったことを学ぶことができました。会場からは「気球をいろいろなところで飛ばして分かることは?」「ニュートリノは天気の悪い日でも観測できるの?」といった質問がたくさん飛び出しました。

JAXAの興味深い研究の一端を知ることができる貴重な時間でした。本当にありがとうございました。

(飛騨市役所/森田雄一郎)

宇宙に夢中!の飛騨の子どもたち