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ISASニュース

IAC展示と国際学生ゾーン

No.391(2013年10月)掲載

9月23〜27日に中国・北京でIAC(国際宇宙会議)が開催されました。IACは今年で64回目となり、「Promoting Space Development for the Benefits of Mankind」をメインテーマとし、5つのカテゴリー、32のシンポジウム、約190のセッションから構成され、JAXAを含む世界の主要宇宙機関長による公開討議などが行われています。世界の宇宙開発活動・計画、学術研究成果発表など、情報交換の場として宇宙工学関連(工学以外のセッションあり)の学会では最大規模で、今年は74ヶ国から約3700名が参加しました。

IACでは、さまざまな学術セッションや講演に加え、いろいろな宇宙関連企業や宇宙機関が展示場にてブースを出しています。今年は地元中国の宇宙関連企業のブースが多く、展示エリアの半分ほどは中国で占められていました。中国のロケットの模型、企業の商品、帰還カプセルなども展示されており、中国の宇宙開発を知るにはよい機会です。そのほか、新規・常連さまざまな宇宙機関、宇宙関連企業などがブースを出しており、JAXAもブースを出しています。展示場では展示だけのブースもあれば、飲食物・グッズを無料で配ったり、パーティーを開催していたり、オリンピックのように開催地の誘致合戦も行われています。

その中で、ちょっと異色なブースが国際宇宙教育会議(InternationalSpace Education Board:ISEB)が出している「国際学生ゾーン」です。ISEBは、8宇宙機関(含むJAXA)と1科学館が参加しており、毎年大学生・大学院生を派遣し、国際交流を行っています。国際学生ゾーンでは、ランチタイムにいろいろなセッションを行っており、今年は学生の発表や、研究者によるミニ講演などが行われました。機関長によるQ&Aセッションも実施されており、普段会えない機関長を近くで見られるということで、ISEB派遣学生以外の方も大勢来ました。ISEBは、ほかにもIAC中に学生交流プログラムを実施しており、「Meet& Greet」「アウトリーチ活動」などで絆を深めています。人脈を築くことは本人だけでなく国際社会における日本の国益にもつながると思っております。

(宮川弥生)

国際学生ゾーンにおけるISEB派遣学生によるグループワークの様子