宇宙航空研究開発機構 サイトマップ

TOP > レポート&コラム > ISASニュース > 連載の内容 > ISAS事情

ISASニュース

「宇宙学校・ほうふ」開催

No.391(2013年10月)掲載

山口県の防府市青少年科学館では9月21日(土)に「宇宙学校・ほうふ」を開催しました。当日は小学生を中心に保護者も含め多くの参加者があり、会場内は宇宙に対して興味津々な子どもたちとその保護者の熱気であふれていました。

今回の宇宙学校では、1時限目は「宇宙に浮かぶ巨大な発電所『太陽発電衛星』の研究」をテーマに、牧謙一郎先生から、宇宙に太陽電池を浮かべクリーンかつ安定的に電気エネルギーを供給できるという、将来のエネルギー問題に大きな影響を与える可能性を秘めた素晴らしい技術についてのお話をしていただきました。

2時限目には、「次世代赤外線天文衛星SPICA」というテーマで阪本成一先生から、宇宙観測はさまざまな電磁波を使って行っていること、その中で赤外線の効果や見えない天体ブラックホールなどの一見理解しにくい内容を、身近な事象に置き換えて、とても分かりやすく楽しくお話ししていただきました。

先生方の興味深いお話に対して驚き、感動し、刺激を受けたのか、質疑応答の時間には多くの子どもたちから次々と手が挙がりました。会場は、先生方との距離が近くアットホームな雰囲気で、参加者と先生方との質問のやりとりがものすごく身近に伝わり、一体感を感じました。

子どもたちからは「太陽発電衛星を静止軌道に入れたらどうか?」「ブラックホールの特異点はどうなっているの?」「宇宙の果ては見ることができるの?」「太陽発電衛星からほかの衛星に電気を送ることはできるの?」「衛星設置と宇宙のゴミ問題」など、専門家もうなるような質問や実用的かつ生産的な質問が多く飛び交い、将来、宇宙開発の担い手がたくさん生まれそうな頼もしさを感じました。また、これからの宇宙開発に熱意を持って意見や質問を述べる子どもたちの姿から、会場にいた保護者の方や運営する私たち職員も胸が熱くなる場面が多々ありました。JAXAの皆さまに本当に素晴らしい機会を提供していただいたことに、職員一同、心から感謝申し上げます。

(防府市青少年科学館/岩下貴文)

積極的に質問の手を挙げる子どもたち