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ISASニュース

「星の王子さまに会いにいきませんか ミリオンキャンペーン2」報告

No.390(2013年9月)掲載

2002年、MUSES- C(はやぶさ)プロジェクトで、「星の王子さまに会いにいきませんか ミリオンキャンペーン」を行いました。小惑星へのタッチダウンのときの目印になるターゲットマーカに搭載する名前を募集したのです。このときは、149 ヶ国88万人分を超える名前が集まり、「はやぶさ」のターゲットマーカの1個に名前を刻んだシートを搭載しました。

それから11年後の今年、「はやぶさ2」プロジェクトでは、「星の王子さまに会いにいきませんか ミリオンキャンペーン2」として、同様な募集を行いました。ただし今回は、ターゲットマーカに名前を搭載するだけでなく、地球に戻ってくるカプセルに名前・メッセージ・イラスト・写真などを記録したメモリチップを搭載します。つまり、まだ人は乗れませんが、名前だけでも小惑星まで行って地球に戻ってくる宇宙旅行をしようというわけです。

キャンペーンは、3月29日に公募予告を開始し、4月10日から8月9日までの約4ヶ月間にわたって受け付けをしました。個人の方だけでなく、学校のクラスや部活動、地域サークル、企業の部署など、さまざまなコミュニティー・団体の方から、メッセージや寄せ書きが届きました(中には、中高一貫校の全校生徒・教職員の皆さん約1000名分のメッセージがまとまって届いたりも!)。皆さんからのメッセージが届くたびに、そこに込められた熱い想いで目頭が熱くなるのを、事務局メンバーは感じていました。 皆さんに応募していただいた名前、メッセージなどをターゲットマーカやカプセルに搭載する作業は、現在、大詰めを迎えています。そして、それらを搭載してくれる「はやぶさ2」本体の作業ももちろん、2014年度の打上げに向けてまさに佳境に入っています。

今回のキャンペーンでは、文部科学省をはじめとして多くの官公庁、全国の科学館・児童館、教育委員会、地方自治体、宇宙航空関連企業、各種メディア、海外の機関そして多くの個人の皆さんにご協力をいただきました。また、米国惑星協会にも「はやぶさ」のキャンペーンに引き続いて募集を手伝っていただきました。協力していただきました皆さまには、深く感謝したいと思います。また、応募してくださった多くの皆さんの暖かい応援にも感謝致します。

(吉川 真)

2010年8月、JAXA i サマーウィーク「おかえり、はやぶさ〜帰還カプセル展示」でメッセージが書き込まれた寄せ書きマットも画像データとしてメモリチップに記録され、「はやぶさ2」の再突入カプセルに搭載される。