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ISASニュース

鹿児島市天文館に「宇宙情報館」オープン

No.386(2013年5月)掲載

内之浦宇宙空間観測所と種子島宇宙センターという日本に二つしかないロケット打上げ場を共に擁する鹿児島県。その中心部にある南九州随一の繁華街である天文館に4月12日、宇宙情報館がオープンしました。この日はペンシルロケットの公開試射(1955年)が行われた日でもあります。

そもそも天文館という地名は、島津重豪しげひで公が暦の編さんのために設置した天文観測所「明時館」に由来しています。鹿児島県内では現在、ロケットの打上げのほか、鹿児島大学が国内有数の天文・宇宙の研究拠点として機能しており、鹿児島人工衛星開発協議会や県内の企業による超小型衛星の開発も進められています。

このような宇宙に縁の深い場所から宇宙の研究開発に関する情報発信や、それを通じた地域振興を進めようと、今回民間の出資で展示エリアが整備され、JAXA、国立天文台、鹿児島大学、鹿児島人工衛星開発協議会の4者に無償提供されました。入場料も無料です。

博物館・科学館と違い、この宇宙情報館は各機関のアンテナショップとして機能します。JAXAからは事業紹介の映像やH-IIAロケットなどの模型、パネル展示に加え、最大110デシベルまで出せるロケット打上げ音響体験システムを初めてJAXA施設外に常設しました。館内には宇宙関連グッズの売店や、飲料の自販機、休憩コーナーもあり、いわゆる宇宙好きではない方々にも時間つぶしに活用いただけます。連休中に毎日訪れた子どももいるようです。狭いスペースではありますが、ここを一つの拠点に、より多くの方々と宇宙の研究開発の感動を分かち合いたいと思います。

(阪本成一)

宇宙情報館の館内。売店や休憩エリア込みで約90m2という狭いスペースをどのように共同で利用するか、それぞれの出展者が知恵を絞っている。