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ISASニュース

「第32回宇宙科学講演と映画の会」開催

No.386(2013年5月)掲載

※「きょん」:惑星分光観測衛星のマスコットキャラクター。太字にアクセントを付けて発音する(例えば「ロボタン」「ノンタン」「しょこたん」のようなイメージ)。

ぼくの名は「きょくたん」※。的川泰宣先生よりもちょっとだけ重い体重340kgの小型科学衛星だ。もうすぐ待望のイプシロンロケットの1号機に乗って宇宙への旅に出る。旅の目的は壮大だ。極端紫外線という波長を用いて太陽系の過去や未来の姿を解き明かす。これは世界でも初めての挑戦だよ。こうして小さくてもいろんなことができるし、夢は大きく膨らむんだ。
(きょくたん)

4月13日(土)に「第32回宇宙科学講演と映画の会」を開催致しました。これは、皆さまご存知の通り、近年では筑波宇宙センター、調布航空宇宙センターの特別公開に合わせて科学技術週間に行われている宇宙科学研究所主催の催しです。昨年同様、四谷区民ホールにて398名もの来場者をお迎えし、にぎやかに開催することができました。

冒頭の稲谷芳文副所長による開会のあいさつに引き続き、一つ目の講演は「未来を拓くイプシロンロケットの挑戦」と題し、プロジェクトマネージャーを務める私が、この夏に打上げが迫ったイプシロンロケットの魅力や開発現場の熱気について、映像を交えて詳しく紹介しました。二つ目の講演は「波長100ナノメートルの光で観測する惑星環境−惑星分光観測衛星の挑戦−」というテーマで、ミッションマネージャーの山ア敦助教が、イプシロンロケットで打ち上げる惑星分光観測衛星の意義や開発の面白さを、大変分かりやすく説明しました。その後の質疑応答の時間では、故長友信人先生にまつわる鋭い質問に稲谷副所長がたじたじになるという痛快な場面もあり、会場全体が大いに盛り上がりました。

最後に上映した「観測ロケット」というドキュメンタリー映画は、ロケット自体はもちろん運用する人にもスポットを当てており、この夏打ち上げる観測ロケットに向けた宇宙研職員の意気込みも十分にお伝えできたと思います。

(森田泰弘)

大いに盛り上がった質疑応答の様子