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ISASニュース

「総研大アジア冬の学校」開催

No.384(2013年3月)掲載

宇宙研は、宇宙科学を実践する組織ですが、そこでは学生として学ぶこともできます。特に、宇宙研は総合研究大学院大学(総研大)に参画しており、多くの教員が総研大物理科学研究科宇宙科学専攻の教員を兼務しています。総研大は国内の研究所や博物館(基盤機関と呼ばれます)から構成される大学院大学で、学生は博士課程に入学し、基盤機関の研究者から指導を受けて専攻分野を学びます。この総研大では、学生たちに広く世界に目を向け国際感覚を身に付けてもらうこと、また海外の学生たちに総研大の先進的な科学研究を紹介することなどを目的とし、物理科学研究科の5専攻(核融合科学専攻・機能分子科学専攻・構造分子科学専攻・天文科学専攻・宇宙科学専攻)が連携して「総研大アジア冬の学校」を、毎年開催しています。去年に引き続き、5専攻共通のテーマに「世界を眺める新しい目」を設定し、また宇宙科学専攻では個別テーマとして「Eyes to explore the space horizon(宇宙の果てを探求する目)」を掲げ、アジア各国から17名の学外参加者(国外15名、国内2名)を受け入れ、2月5日から7日まで、JAXA相模原キャンパスにて開催しました。

総研大を兼務する宇宙研教員による研究の紹介、相模原キャンパスの紹介などを行いつつ、参加者たちからも発表をしていただきました。教員たちのユーモアを交えたプレゼンテーションは、主催側としても関心をかき立てられ、参加者の皆さんも身を乗り出して聞き入っていました。また参加者からの発表は、各自の興味に沿って、宇宙実験、通信、自作の人工衛星、宇宙観について力のこもったものが多く、さまざまな背景を持った方々が参加しているだけに、多岐にわたり熱くかつ誠実なディスカッションが繰り広げられました。

帰りのバスに乗り込む前、参加者の皆さんが、まるでサッカーかラグビーの勝者のように互いに抱き合い肩をたたき合っていました。この小さな集まりが、将来の大きなソサエティーにつながってくれることを心から祈念しています。

(曽根理嗣)

アジア各国からの参加者たち