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ISASニュース

「はやぶさ2」報道公開・一次噛合せ試験

No.383(2013年2月)掲載

「はやぶさ2」報道公開

2012年も押し詰まった12月26日に、「はやぶさ2」の探査機を報道関係者に公開しました。探査機は製作を続けているわけですが、機械環境サーベイ試験(ISASニュースNo.382 ISAS事情参照)の合間に、相模原キャンパスの機械環境試験室にて公開を行いました。

構造体と太陽電池パドルはフライトモデル(実機)ですが、ほかは振動試験のためのダミー機器が付いている状態で、探査機としてはまだつくりかけのものです。しかし、「はやぶさ2」としては初めての機体公開ですので、マスコミの関心は非常に高く、テレビ局が6社、新聞9社、その他11社、総勢44人の取材陣にお越しいただきました。特に主要テレビ局が全社集まったのは、JAXAとしては久々とのことです。

最初に、國中均プロジェクトマネージャーと渡邊誠一郎プロジェクトサイエンティストが「はやぶさ2」ミッションについて紹介を行い、その後、2つの班に分かれて探査機の取材をしていただきました。非常に好評で、テレビや新聞などで多く報道していただきました。

(吉川 真)

一次噛合せ試験開始

2013年1月末から、「はやぶさ2」は一次噛合せ試験を開始しました。一次噛合せ試験では、フライトモデルの搭載機器を相模原キャンパスのクリーンルームに一堂に集め、探査機として組み上がるかを確認するとともに、総合的な電気的機能・性能の試験を行っていきます。

一連の試験では、すべての搭載機器を探査機に組み込んだ状態での電気試験を行った後に、姿勢・誘導系総合試験、運用シミュレーション試験、イオンエンジン動作試験、通信系総合試験、質量特性測定などを行っていきます。

「はやぶさ2」は、搭載機器が多い上に、2014年末の打上げに向けてタイトなスケジュールが組まれているため、サブシステム試験とシステム試験がパズルのように入り組んだ作業工程になっています。JAXAと関連メーカーのチームワークで、この複雑な探査機をしっかり仕上げていきたいと思います。引き続き皆さまのご協力をよろしくお願い致します。

(津田雄一)

相模原キャンパス機械環境試験室で報道公開中の「はやぶさ2」