宇宙航空研究開発機構 サイトマップ

TOP > レポート&コラム > ISASニュース > 連載の内容 > ISAS事情

ISASニュース

田島道夫JAXA名誉教授、「山ア貞一賞」受賞

No.382(2013年1月)掲載

田島道夫JAXA名誉教授は、「フォトルミネッセンスによる半導体結晶計測評価法の開発と標準化」に貢献したことを高く評価され、「山ア貞一賞」(計測評価分野)を受賞しました。
山ア貞一賞は、材料、半導体および半導体装置、計測評価、バイオサイエンス・バイオテクノロジーの4分野において、実用化につながる優れた創造的業績を挙げている研究者に授与されます。材料科学技術振興財団によって毎年、各分野1件が選考され、今回は第12回です。2012年11月16日に東京・上野の日本学士院にて賞状とメダルの贈呈式が行われました。

田島名誉教授は1978年、レーザー光を用いたフォトルミネッセンス法によって、シリコン(Si)結晶においてSi固有の発光に対する結晶中の不純物に起因する発光の強度比が、不純物濃度にほぼ比例して増大することを見いだし、これに基づく不純物定量分析法を発明しました。この手法は、それまで一般に用いられていた赤外線吸収法と比較して、検出感度、空間分解能ともに2桁以上高い画期的なものでした。この評価法は、国内のJIS規格(JIS H0615)やSEMI国際規格(MF1389-0704)として採用され、世界中で広く半導体製造における評価基準として使用されています。また、この手法はSiのほか、ヒ化ガリウム(GaAs)さらにはパワーデバイス用として注目されている炭化ケイ素(SiC)などの化合物半導体結晶中の欠陥評価にも拡張されています。

(ISASニュース編集委員会)

田島道夫JAXA名誉教授。
山ア貞一賞の賞状とメダルと共に。