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ISASニュース

「宇宙学校・ののいち」開催

No.382(2013年1月)掲載

2012年12月15日(土)、石川県野々市市情報交流館カメリアにおいて野々市市市制施行1周年記念「宇宙学校・ののいち」が開催され、202 名の親子連れや若者たちで会場のホール椿はいっぱいになりました。

1時限目は塩谷圭吾先生による「赤外線天文衛星で狙う太陽系外惑星」。「系外惑星はどのくらい見つかると予想されているのですか」など、素朴ながらも鋭い質問が続出。講師の皆さんには「素晴らしくいい質問ですね!」の言葉とともに大変丁寧に答えていただき、子どもたちと講師の皆さんとの真剣勝負のやりとりは見応がありました。2時限目は清水幸夫先生による「小惑星探査機『はやぶさ』が目指したもの」。本では得られない、開発担当者からしか聞けないお得情報とともに、「はやぶさ」の本当の目的についてお話しいただきました。「はやぶさ」本体を覆っていた熱制御のための素材(アルミ蒸着ポリイミドフィルム)と同じ素材にも触らせてもらい、目をキラキラさせた子どもたちの表情が印象的でした。

専門的な内容も身近な例え話や笑いを交えて解説いただき、2時間半強たっぷりあったはずの時間はあっという間に過ぎ去ってしまいました。閉校後も大勢の質問に真摯に答えていただき、会場は子どもたちの「もっと知りたい!」というあふれんばかりの好奇心で満たされていました。アンケートで多かったのが「また来年もやってほしい」という声で、いかに有意義な時間だったかを裏打ちしています。最後に阪本成一校長から頂いた、「『はやぶさ』の成功が教えてくれたもの、それは“挑戦しないと大きな成功は決してあり得ない、たとえ失敗しても何かかけがえのないものが残る”ということ」という、人生の示唆に富んだメッセージは、子どものみならず大人にとっても心に深く響きました。

21世紀最先端の科学者たちの挑戦し続ける姿と熱意は、必ずや参加者に伝わっていることと思います。そして、講師の先生方に続き、今回の参加者の中から、まだ誰も知らない宇宙や科学の謎を解き明かす科学者が誕生することを心待ちにしたいと思います。最後に、遠方よりお越しいただきました講師の皆さまに心よりお礼申し上げるとともに、全国の子どもたちの夢や憧れにつながる機会、「宇宙学校」を今後も継続していただきたいと切に願います。

(野々市市情報文化振興財団/松田尚子)

会場には子どもたちの好奇心があふれていた