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ISASニュース

「宇宙学校・とよやま」開催

No.380(2012年11月)掲載

10月20日、愛知県豊山町の町制施行40周年記念事業として、「宇宙学校・とよやま」が豊山町社会教育センターで開催されました。

当日は、小中学生を中心に約200人の参加がありました。中には県外からの参加者もあり、会場内は期待に目を輝かせた子どもたちの熱気であふれていました。

今回の授業は、1時限目が北川幸樹先生による「ロケットってなんだろう?」、2時限目が大山聖先生による「うちゅうでとばすひこうき」でした。北川先生にはロケットが宇宙へ飛び立つ仕組みや液体燃料と固形燃料を併用したハイブリッドロケットについて、大山先生には火星で飛ばそうと研究している飛行機について、映像と模型を使って分かりやすくお話しいただきました。

宇宙学校は、講師の先生からの説明をただ聴くだけではなく、質問コーナーに多くの時間を割り当て、参加者と一緒に授業を進めることが特徴です。分かりやすい説明ではありましたが、難解な専門用語もあり、果たして子どもたちから質問が出るのかという不安がありました。ところが阪本成一校長が「質問がある人は手を挙げて」と呼び掛けると、会場のあちこちで「はい!」と元気よく、次々と手が挙がりました。質問内容も「ハイブリッド燃料を使うメリットは何ですか?」「火星飛行機の素材は何ですか?」「空気が薄い火星で、飛行機の方向転換の方法は?」など、先生方がよく聞いてくれたとニヤリとする質問や、一瞬たじろぐような鋭い質問が飛び交いました。阪本校長が何度も「大人の皆さん、付いてこれてますか」と会場に問い掛ける場面もあり、私の不安は杞憂に終わりました。

会場内を見渡すと、先生の説明を熱心にメモに取る子どもたちの姿があちこちで見られ、また、休憩時間や授業終了後に先生方のまわりに子どもたちが集まり、もっと話を聞こうとする姿を見ると、宇宙に対する関心の高さを本当に実感しました。宇宙学校に参加した子どもの中から一人でも多く、宇宙飛行士や航空宇宙分野で活躍する人材が誕生すればよいと思います。

阪本先生をはじめ、JAXAの皆さまには素晴らしい授業を開催していただき、本当にありがとうございました。

(豊山町役場町制施行40周年記念事業プロジェクトチーム/中川 徹)

「先生,当てて!」。元気よく手を挙げる参加者。