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ISASニュース

私を宇宙に連れてって――「宇宙学校・たむら」

No.378(2012年9月)掲載

「金」環日食、「金」星の太陽面通過、「金」星食、ついでにロンドンオリンピックと「金づくし天文界の“ゴールデン”イヤー」に、念願の「宇宙学校・たむら」を福島県田村郡三春町で開催していただいたことを心から感謝致します。8月11日というお盆前のお忙しい中、阪本成一校長先生、石岡憲昭先生、山田和彦先生にお越しいただきました。

参加者は多くが小学校低学年だったため、少しだけ先生方のお話が難しくて、頭が「?」になっている子もいましたが、「宇宙でオナラをするとどうなるのですか?」という子どもらしい素朴な質問から「太陽の四極化は?」と先生も答えに悩む質問まで、子どもたちの宇宙に関する日ごろの疑問に対して、阪本校長先生と講師の先生方の楽しい掛け合いを交え分かりやすく丁寧にお答えいただき、楽しい時間を過ごすことができました。

三春町にあるさくら湖自然観察ステーションでは、25cmフローライト屈折式望遠鏡を使って「星を見る会」や、小中学生などの体験学習を行っています。当然、宇宙に関する話をするわけですが、そのとき本やテレビ、インターネットなどで仕入れた知識をさも知ったふうに話すことが多くなりがちです。最先端にいる研究者の方々から自ら経験した話や研究の裏話など生きた話を直接聞いたことは、未来ある小中学生にとってとても貴重な経験になったと思います。こんな素晴らしい宇宙学校が私の小学生時代にあれば、今ごろ私も国際宇宙ステーションに搭乗していたかもしれないかなと夢想すると、今どきの子どもたちがうらやましくなります。

宇宙学校に参加した子どもたちから宇宙飛行士やJAXAで活躍する人材が誕生すれば、これほど素晴らしいことはありません。そうでなくても、1人でも多くの子どもたちが宇宙に興味を持って星空を見上げてくれたら、うれしく思います。

これからもこうしたプログラムなどを通じて、研究やミッションの成果を発表する活動を展開し、私たちを宇宙に連れていってください。

(さくら湖自然観察ステーション企画運営委員/山口登美男)

「三春交流館まほら」にて開催