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ISASニュース

「宇宙学校・さく」開催報告

No.378(2012年9月)掲載

JAXA臼田宇宙空間観測所のある長野県佐久市では、2年前の小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル帰還以来、宇宙への関心が一気に高まりました。「はやぶさ」と地球の交信を支え、一時交信が途絶えたときには観測所の懸命な追跡により再開するなど、偉業の一翼を担った臼田宇宙空間観測所は、我が街の誇りとなりました。このようなことから、「はやぶさ」生みの親であるJAXAを知っていただこうと「宇宙学校」を開催することになりました。宇宙学校当日の8月8日、予想以上の参加者が佐久市子ども未来館に集まり、夏でも冷涼な地にあるにもかかわらず、会場は開校前から熱気に満ちていました。

1時間目は「はやぶさと臼田64mアンテナ」と題し、臼田宇宙空間観測所の山本善一所長が、「はやぶさ」と観測所との関わりやそれに関連した説明をしてくださいました。「はやぶさ」本体がミッション終了後、地球外に行く計画もあったとの説明に参加者はとても興味を持った様子で、質問コーナーでは、どこに行く予定であったのかなど数多くの質問が出ました。

2時間目は「深宇宙のナゾに挑む」と題し、成田伸一郎開発員が、宇宙科学研究所やその業務内容、そして「はやぶさ」や「あかつき」の探査活動などの説明をしてくださいました。探査機の制御方法や「あかつき」の探査計画のほか、これからの宇宙開発に関する質問が多く出されました。

講師のお二人の分かりやすいお話の後、「次に質問です」と言った途端、待っていましたとばかりに「はーい」という大きな声とともに元気な手が会場いっぱいに挙がり、進行役である阪本成一校長が質問者を選ぶのに苦慮するほどでした。先生方の親切かつ柔軟なお答えに参加者は大満足の様子で、宇宙学校は無事終了しました。

宇宙学校の開催により、多くの方に宇宙科学のことを知っていただくとともに、宇宙という魅力にあふれたテーマを通して、子どもたちに大きな夢と希望、さらには科学への探究心を育むよい機会になったと思います。

この感動を忘れずに、この佐久より宇宙開発に携わる人、科学者の道を志す人を1人でも多く輩出できればと考えております。

(佐久市子ども未来館/阿部信幸)

プラネタリウムで宇宙学校