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ISASニュース

GEOTAIL打上げ20周年

No.377(2012年8月)掲載

2012年7月24日、磁気圏尾部観測衛星GEOTAILは、打上げ後満20歳の記念日を無事に現役で迎えました。先輩の磁気圏観測衛星「あけぼの」と共に長寿命を誇ります。これまでGEOTAILを支えてきてくださったすべての皆さまに、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。

写真は、満20歳を迎えた日の衛星運用時のQL(クイックルック)画面の一部です。GEOTAILは、衛星状態にはほとんど問題なく、今も世界第一級の観測データを提供し続けています。衛星運用時には衛星状態を確認するために読み合わせを行うのですが、打上げ時刻(1992年7月24日14時26分、世界標準時)直後から20年間ほぼ同じ値を刻み続けているものもあります。衛星運用当番に協力してくださった皆さんには、きっと懐かしく思い出される数字もあることでしょう。

GEOTAILは20年前の衛星ということもあって、このQL画面は、今ではほとんど見掛けない汎用大型計算機の端末に映し出されています。このように、衛星よりも地上にある旧式な計算機器類が先にくたびれ果ててしまうことが心配されていたのですが、今年度にはいよいよ汎用大型計算機から新しい計算機システムへと地上系システムの移行が始まりました。こうして、地上系システムの故障のリスクを乗り越えることで、GEOTAILはますます長期間の科学観測を続けることができるようになるはずです。

昨年度の理学委員会では2015年度末までの観測運用の延長を認めていただきました。今後打ち上げられる国内外の科学衛星との新たな共同観測をはじめ、これまで通り、科学成果に貢献し続けたいと考えておりますので、観測運用の継続にも皆さまからのご支援をよろしくお願い致します。

なお、来る11月11〜14日に都心にて、GEOTAIL打上げ20周年を記念する研究会を開催する予定ですので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

(篠原 育)

GEOTAIL運用時のQL(クイックルック) 画面の一部