宇宙航空研究開発機構 サイトマップ

TOP > レポート&コラム > ISASニュース > 連載の内容 > ISAS事情

ISASニュース

宇宙の夏、相模原の夏

No.377(2012年8月)掲載

あっという間に季節は巡り、JAXA相模原キャンパス特別公開が開催される夏がやって来ました。4月に宇宙科学研究所広報・普及係に着任した私にとって、そして広報関係者全体にとって特別公開準備のために全速力で駆け抜けた、いや文字通り駆け回った3ヶ月間でした。途中何度、「今年の特別公開は中止!」と思ったことでしょう。

JAXAという組織、宇宙開発の現場に私が初めて触れたのは、2005年の夏の宇宙研一般公開(当時)でした。採用試験を受けているにもかかわらずJAXAの事業所には足を運ばなかった私が、内定をきっかけに初めて訪れたのが、当時の宇宙研だったのです。今思えば、7年後にこの「特別公開」に携わることになったのは、何かの巡り合わせだったのかもしれません。

さて、今年の特別公開は7月27日(金)、28日(土)に開催されました。最高気温35℃という酷暑の中、夏休み中ということもあり、お子さんからご年配の方まで多くの方にご来場いただきました。この2日間で計1万3845名の方にお越しいただきましたが、特に2日目は前日や当日朝のTVニュースを見てご来場くださった方も多かったようです。

今年は、第1会場の出展ブースを昨年と大きく変え、月・太陽・探査関係の研究を行っている出展ブースが1ヶ所に集まり、また一体感のある会場を目指して各ブースが連携したことが大きなポイントでした。多くの来場者からも、新鮮だった、会場内を回りやすかったとお褒めのコメントを頂きました。第1会場のほかにも普段の見学では入ることができない施設が開放され、出展したブースは昨年より増え計44ブースとなりました。一時期、ある会場が特別公開中に使えなくなるのでは?とヒヤヒヤしましたが、無事キャンパス内に第1から第5会場、また中庭会場を設け、キャンパス外では国立近代美術館相模原分館、相模原市立博物館、また水ロケット工作教室の開催場所として共和小学校(土曜のみ)にご協力いただくことができました。

ご来場の方に記入いただいたアンケートの中で、特に印象的だったのは「JAXAの人や学生さんがとても楽しそうに説明していて、生き生きとしている」というコメントです。このコメントは、特別公開に携わっている者にとって、大変大きな励みであり喜びになると思います。

来年も、今年と同時期に特別公開を開催する予定です。小学生は夏休みの自由研究の題材探しに、中学生、高校生や大学生は将来自分がどんな道に進み、どんな人生を歩むと幸せになるのかという自分探しに、ぜひ来年の夏の一日を相模原キャンパスでお過ごしください。きっと、相模原キャンパス特別公開は何かアツい想いを呼び起こしてくれるはずです。

最後になりましたが、今回ご協力いただきましたすべての皆さま、ご来場いただきました皆さまに心よりお礼申し上げます。

(原田まり子)

JAXAクラブ宇宙実験室

探査ロボットのデモンストレーション

共和小学校で行われた水ロケットの打上げ