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ISASニュース

SPICA遠赤外線観測装置(SAFARI)コンソーシアム会議開催
〜オランダSPICA予算が認められる〜

No.373(2012年4月)掲載

次世代赤外線衛星SPICAに搭載される遠赤外線観測装置(SAFARI:SPICA Far-InfraRed Instrument)の開発は、欧州を中心とする国際コンソーシアムが担当します。このコンソーシアム会議が3月13日から15日にかけて、オランダ・フローニンゲンにおいて開催されました。この会議の直前に、コンソーシアムの中心であるオランダがSAFARI開発のために1800万ユーロ(約20億円)の外部資金を獲得したとのビッグニュースがあり、コンソーシアム会議は、大いに活気づきました。地元でもこのことは大きな注目を集め、TVや新聞記事でも取り上げられました。

SPICA計画は、JAXA主導の国際協力で進めている次世代の赤外線天文衛星計画です。口径3.2mの大型望遠鏡を宇宙に打ち上げ、マイナス267℃という極低温にまで冷却することにより、今までにない圧倒的な高感度観測を赤外線領域で可能にします。これにより、「銀河誕生のドラマ」から「惑星系のレシピ」に至るまで、現代天文学の重要課題の解明に挑みます。

SPICA搭載装置のうちSAFARI開発は国際コンソーシアムが担当しますが、その中心となっているのが、オランダ宇宙研究機関(SRON:Space Research Organization of Netherlands)です。SRONは、今回獲得した外部資金に内部資金を合わせると、オランダのSAFARI担当部分の90%に当たる予算を獲得したことになりました。これは、SPICA実現に向けての大きな一歩となります。

コンソーシアム会議には、写真でも分かるように、欧州を中心として世界各国から多くの研究者・エンジニアが参加しました。科学目的の最適化、および開発進捗の確認の両面から、活発な議論が繰り広げられました。

(中川貴雄)

SAFARIコンソーシアム会議の出席者