宇宙航空研究開発機構 サイトマップ

TOP > レポート&コラム > ISASニュース > 連載の内容 > ISAS事情

ISASニュース

宇宙学校・ひめじ開催

No.372(2012年3月)掲載

1月29日(日)に「宇宙学校・ひめじ」が姫路科学館で開催されました。定員を大きく上回る応募があり、反響の大きさと応募者の熱い思いを配慮して応募者全員の座席を用意し、200人近くを受け入れました。

講座は阪本成一校長の軽妙な司会により進められました。1時間目の北川幸樹先生による「ロケットってなんだろう?」では、ロケットの原理、いろいろなロケット、そして先生自身が研究中のロケットなどについて話をしていただきました。6歳ほどの子どもから「スペースシャトル固体ロケットブースターは再利用するのに、外部燃料タンクは再利用しないのはどうしてですか」という質問が出て、参加者のロケットに関する知識に驚かされました。ほかにも、人工衛星の数やロケットの値段など多くの質問が絶えず、休み時間が終わるまで質問の列が続きました。

2時間目は、津村耕司先生の「宇宙誕生の様子をさぐれ!」と土谷光弘先生の「水惑星の『地球人』として君たちはどう生きるか」でした。最初に津村先生が行っている研究、赤外線衛星や次期赤外線天文衛星などの紹介がありました。そして、地球の大きさや月までの距離の測定の歴史、ハッブルの法則、ビッグバンなど、宇宙観の変遷についての話がありました。「ビッグバンはどうして起こったのですか」といった答えにくい質問にも、丁寧に回答していただきました。土谷先生のお話は、小惑星探査機「はやぶさ」の技術とその成果、地球の外から地球の環境を観測する技術についてで、その成果を踏まえて私たちはこれからどう生きるべきか問い掛けがありました。

最後に先生方から、「自分の好きなこと、やりたいことを見つけてチャレンジしよう」「これだけは人に負けないということを見つけて挑戦しよう」と、子どもたちに激励の言葉が贈られました。研究現場の先生方から直接話を聞くことができ、子どもたちは大いに刺激を受けたようでした。また、「宇宙学校」の開催に合わせてJAXAから試着できる宇宙服の模型などを借りることができ、宇宙学校終了後、希望者に宇宙服を試着してもらい好評でした。

(姫路科学館/小関高明)

定員を上回る応募に座席を増やして対応