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ISASニュース

総研大「アジア冬の学校2011」開催

No.372(2012年3月)掲載

2月15日から17日までの3日間、総研大「アジア冬の学校2011」が開催されました。

JAXA宇宙科学研究所は総合研究大学院大学(総研大)に参画しており、宇宙研の多くの教員が総研大物理科学研究科宇宙科学専攻を兼務しています。本行事は物理科学研究科の5専攻(核融合科学・機能分子科学・構造分子科学・天文科学・宇宙科学)が連携し、総研大の高いレベルの研究・教育内容を、総研大以外のアジアの国々の若手研究者の教育に活用することを目的に開催されています。今年は5専攻共通のテーマに「世界を眺める新しい目」を設定し、さらに宇宙科学専攻の個別テーマとして「Eyes to explore the space horizon(宇宙の果てを探求する目)」を設定しました。

応募資料をもとに厳選し、国外15名、国内1名の参加を受けました。宇宙科学専攻を中心に7人の講師を選抜して宇宙科学の最先端講義を行い、相模原キャンパスと筑波宇宙センターの施設見学を実施しました。

学生のプレゼンテーションも受けました。各人が関わるカンサットやナノサット、電波天文観測を活用した研究などが紹介され、同じ分野の者同士、その場から連携の声も上がり、国境を意識しない若い研究者の前向きな指向性が感じられました。

今年、宇宙科学専攻の事務局に加わった私は、学生たちに伝えたかったことがありました。

ほんの50数年前、日本はペンシルロケットから宇宙探査へ歩みを進めました。たったの50有余年で世界最先端の衛星天文科学を切り開き、多くの工学技術を開拓/発展させ、今や先端宇宙科学を実践していること。そういう技術は、「あけぼの」や「GEOTAIL」のように20年を超えるような運用を積み重ね、データを大切にする現場から生まれること。

自分のカンサットが「自身の研究者人生を形づくる中で最先端科学に結び付く可能性を秘めている」と、そんな気持ちを持って母国に帰っていてくれたらと祈念してやみません。

(曽根理嗣)

相模原キャンパス施設見学の様子