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ISASニュース

宇宙学校・ひがしまつやま開催

No.370(2012年1月)掲載

2011年12月23日(金)の祝日、埼玉県内では初めてとなる「宇宙学校・ひがしまつやま」が東松山市の高坂市民活動センターで開催されました。小学生を中心に約160名の家族連れが県内外から参加しました。

ここ東松山市を含む比企地域には、JAXAの地球観測センター(鳩山町)、堂平天文台(ときがわ町)、七夕まつり(小川町)など星や宇宙に関連した施設や催しが多くあります。比企9市町村と県地域振興センター東松山事務所では「比企星降る里(ふるさと)」をテーマに、この地域の魅力をたくさんの皆さまに知っていただこうと地域おこしに取り組んでいます。

今回の授業は、1時限目「“きぼう”が拓く新たな世界」を吉崎泉先生、2時限目「帰ってきた小惑星探査機『はやぶさ』」を西山和孝先生、そして全体の進行・コーディネートを阪本成一校長先生に行っていただきました。吉崎先生には国際宇宙ステーションの中の様子や宇宙飛行士の生活、さまざまな実験などを紹介いただきました。また西山先生には「はやぶさ」の使命、トラブルとそれをどうやって乗り越えてきたか、イオンエンジンが果たした役割、これからの「はやぶさ2」などの計画についてお話しいただきました。映像などを交えて各先生方に分かりやすくお話しいただいた後に、いよいよ子どもたちの質問コーナーです。一斉に子どもたちの手が挙がります。みんな、日ごろから疑問に思っていること、どうしても聞いてみたかったことを先生方にぶつけます。先生方はどんな質問でも科学的な見地から、誠実に、正直に、分かりやすく、一生懸命答えてくださいました。特に阪本校長先生は、天文に関する質問を中心に解説いただき、ユーモアたっぷりで会場を何度も笑いの渦に巻き込んでいました。とにかく驚くのは、子どもたちの宇宙や星に関する疑問が尽きないこと、ほとばしるような“知りたい”という気持ち、姿勢です。何と、休み時間にも先生方に列をつくって、順番に質問をしていました(同時に憧れの先生方にサイン攻めです)。この事業はまさに学校そのものです。子どもたちの興味、関心を育てようという先生方の気持ちが伝わってきて、とても感動しました。阪本校長先生はおっしゃいました。「宇宙を身近に感じて、できれば担い手になってほしい」と。3人の科学者のサンタさんが子どもたちに一足早い宇宙の夢をプレゼントしてくれました。

この後、会場を移して、工作教室「宇宙ステーションのロボットハンドづくり」が行われました。材料は、紙コップ2個、短いビニールひも3本。あとは、はさみとセロハンテープだけで、ペットボトルも持ち上げられる驚きの工作が完成です。こちらも歓声が上がるほど大盛り上がりでした。

本当にありがとうございました。これからも埼玉県、比企地域をよろしくお願いします。

(比企地域元気アップ実行委員会 埼玉県川越比企地域振興センター東松山事務所/川村達也)

熱心な授業風景