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ISASニュース

BepiColombo MMO一次噛合せ試験を実施中

No.369(2011年12月)掲載

BepiColombo(ベピコロンボ)は、JAXAとESA(欧州宇宙機関)が共同で進めている水星探査ミッションです。探査機は、JAXAが製作しているMMO(水星磁気圏探査機)とESAが製作しているモジュール群(MPO[水星表面探査機]、MTM[電気推進モジュール]、MOSIF[MMOサンシールド])によって構成されており、2014年打上げ、2020年水星到着を予定しています。

2011年7月から、MMOのフライトモデルを用いた一次噛合せ試験が進められています。試験は大きく分類すると、電気系と機械系の2種類があります。電気系試験では、まずクリーンルーム内の机上でバス系機器と各機器をケーブルで接続して動作を一つ一つ確認していきます。さらに11月にSI(科学観測機器)ファンクション試験を実施しています。これは、バス系の機器とすべての科学観測機器を机上で接続させた状態で、コマンド送信やデータ出力なども含めて実運用を模擬した動作確認を行う試験です(写真)。

机上での電気系試験の終了後、フライトモデルを衛星構体に組み込む機械系試験を開始しました。衛星本体の上下や側面のパネルを組み上げ、そこに各機器を取り付けていきます。12月に入って徐々に衛星らしい外観になっていき、ついに12月4日には上部と下部の結合が行われました(表紙)。今後、衛星が組み上がった状態での電気系試験を実施した後に衛星を分解し、2012年1月下旬に一連の一次噛合せ試験が終了する予定です。

一次噛合せ試験の後には、各機器の単体での環境試験などを実施します。来年度にはMMO全体の総合試験(宇宙研での最終試験)を行い、問題がなければMMOをESAへ輸送してESA側のモジュール群と組み合わせます。なお、10月に宇宙研で振動試験を行ったMMO構造モデルは、11月にESAのESTEC(欧州宇宙研究技術センター)へ輸送し、現在はESA側の構造モデルと組み合わせて行う振動試験の準備を進めています。しばらくは日本でもESAでも重要な試験が続きます。

(西野真木)

MMOのSIファンクション試験の様子