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ISASニュース

内之浦宇宙空間観測所特別公開2011

No.368(2011年11月)掲載

今年も内之浦宇宙空間観測所の特別公開を10月30日に開催しました。1週間前の週間天気予報では晴れの予想だったものが、開催日が近づくにつれて雲行きが怪しくなってきました。早く雨が通り過ぎることに一縷の望みを持っていたのですが、某ランチャ担当者の雨男ぶりにはかなわなかったのか、朝からしっかりと雨が降っていました。昨年は「おおすみ40周年式典」「はやぶさカプセル公開」と一緒に大々的に特別公開を行ったのですが、今年は身の丈に合わせた規模のイベントに戻したこと、大隅半島のあちこちで種々のイベントが同日に行われること、それからこの雨で、来場者数は例年よりも少なく、500〜600人程度ではないかというのが大方の予想でした。350人という予想をした某KE(電気系設備)担当者もいました。

朝9時半開場の予定でしたが、モデルロケット工作・試射が相変わらずの大人気で、早々と9時前には子どもたちの列ができたため、20分ほど前倒しで開場しました。例年通り午前の早い時間に来場者のピークが来るパターンかなと思っていましたが、しばらくすると企画担当者が髪をずぶぬれにして走ってきました。今年は「はやぶさ効果」もあるかなということで、念のために第3駐車場まで設けていたのですが、午前11時ごろにはすべていっぱいになり、M台地に臨時に駐車場をつくってよいかとのこと。例年は第1駐車場がいっぱいになるかならない程度なのに!?と驚きながら、慌ててM台地の北側に車を誘導してもらいました。確かに、宇宙服の試着コーナーの列は延々と途切れず、M組立棟内の会議室で上映した「はやぶさ」の映画も毎回ほぼ満席でした。同じ会議室で開催した荒川聡先生の宇宙教室に至っては立ち見の方がいらっしゃるほどの盛り上がりを見せました。KS台地やコントロールセンターも多くの方がいらっしゃったとのことで、手づくり感たっぷりのスタンプラリーが功を奏したようです。

午後になっても雨は降り続いていましたが、このままでは雨男の某ランチャ担当者が不憫だと天もおぼしめしたのか、小降りになってきたので、整備塔の大扉を開いてランチャの駆動実演を行うことができました。来年はイプシロンロケットの発射装置として改修工事を行う予定であるため、おそらく斜め発射の現形態での公開はこれが最後であり、多くの方々がその勇姿に感動してくださいました。公式の来場者数は1049人と予想の倍にもなりましたが、受付にいらっしゃらなかった方もかなりいるとのことでしたので、実際の来場者数はもう少し多かったようです。恐るべし、「はやぶさ効果」! ただ、中学生や高校生がほとんど見掛けられなかったことが残念であり、来年に向けての課題と感じました。

最後になりましたが、本特別公開を支援してくださったJAXA内外の多くの方々に心より感謝を申し上げます。来年はいよいよ、内之浦宇宙空間観測所50周年です。

(峯杉賢治)

宇宙教室のひとこま