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ISASニュース

佐久市子ども未来館での「はやぶさ」帰還カプセル特別公開

No.367(2011年10月)掲載

小惑星探査機「はやぶさ」と7年間交信を続けた臼田宇宙空間観測所の64mアンテナは、1984年の開所以来、ハレー彗星探査機「さきがけ」「すいせい」に始まり、工学実験衛星「ひてん」を経て、火星探査機「のぞみ」、月周回衛星「かぐや」、そして「はやぶさ」、金星探査機「あかつき」と小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」へと大きく発展することになる日本の太陽系探査を支えてきました。

この臼田宇宙空間観測所のある長野県佐久市で、「はやぶさ」帰還カプセル展示が8月19日(金)から22日(月)にかけて行われました。JAXAが共催したこともあり、会場となった佐久市子ども未来館には、臼田の山本善一所長はじめJAXA職員が解説のために集まりました。21日には、私も国立天文台野辺山の特別公開からハシゴして駆け付け、臼田の元所長代理の山田三男さんと特別講演を行いました。展示室内や待ち行列、工作教室など場所を変えながら「はやぶさ」と臼田の役割について解説したので、いろいろな角度からイベントをお楽しみいただけたのではないかと思います。

私としてはよい避暑となることを期待したのですが、あいにく4日間とも雨で、気温も20度を切る肌寒さでした。それでも会場には1万1635人(19日2644人、20日4140人、21日3120人、22日1731人)にお越しいただきました。金曜と土曜の数が比較的多いのは、両日のみ行った18時から21時までの夜間無料開放に1103人と1531人の来場があったからです。天候の悪い中、よくお集まりいただいたと感謝しています。

ついでに臼田宇宙空間観測所にも足を延ばした方もいらっしゃると思いますが、そこの「はやぶさ」関連展示の貧弱さにはショックを受けたのではないかと思います。展示室内にある「はやぶさ」模型のサイズは何と48分の1。アオシマのプラモデル(32分の1)よりも小ぶりです。イトカワの模型もありません。いまや宇宙研の施設ではないとはいえ、宇宙科学になくてはならない拠点であることには変わりません。何とか拡充したいものだと決意を新たにしたところです。

(阪本成一)

会場となった佐久市子ども未来館