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ISASニュース

BepiColombo MMOの一次噛合せ試験

No.366(2011年9月)掲載

BepiColomboは、2014年にESAの製作するモジュール(MPO[水星表面探査機]、MTM[電気推進モジュール]、MOSIF[MMOサンシールド])とJAXAの製作するMMO(水星磁気圏探査機)とが組み合わされて、仏領ギアナより打ち上げられることになっています。

BepiColombo MMOのフライトモデル(FM)を用いた一次噛合せ試験が、7月後半より飛翔体環境試験棟のクリーンルーム(通称・旧クリ)にて開始されました。現在はまだ机上噛合せと呼ばれる段階で、クリーンルーム内に並べた机の上にバス系の機器から順次機器を接続して電気試験を行っています。観測機器を含むすべての機器を接続した電気試験(11月の初旬を予定)が終了すると、机上噛合せは完了です。次は、衛星構体への各機器の取り付けを順次行い、衛星を組み上げていきます。衛星全体が組み上がった姿となるのは、11月末から12月頭ごろの予定です。その後、衛星が組み上がった状態での電気試験を行い、衛星を分解し、一次噛合せは終了となります。各搭載機器は一次噛合せ試験の後に、単体での環境試験、最終のキャリブレーションなどを行い、来年度開始される予定の総合試験(日本における最終試験)に備えることとなります。

また、このMMOのフライトモデルの一次噛合せ試験と並行して、来年早々からESA/ESTECにて開始される予定のBepiColomboの各モジュールを組み合わせた母船構造モデル試験に参加するために、MMOの構造モデルの組み立てを、同じく飛翔体環境試験棟の通称・新クリと呼ばれるクリーンルームにて行っています。構造モデルは10月初旬までに組み立てを終わり、ESAへの引き渡し準備の確認を行った後、11月初旬にESA/ESTECへと輸送されることになっています。

一方のESA側では、10太陽光強度下でのMPOの熱構造モデル試験が9月10日過ぎから開始され、来年早々からの母船構造モデル試験に向けて着々と準備が進められています。来年度にはESA側製作モジュールについてもフライトモデルの総合試験が開始されることとなっており、これから打上げまでは各所で試験が同時進行する忙しい時期が続きます。

(早川 基)

MMOフライトモデル一次噛合せ試験(机上噛合せ)風景