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ISASニュース

総研大「アジア冬の学校」開催

No.360(2011年3月)掲載

2月15〜17日に、総合研究大学院大学(総研大)宇宙科学専攻が主催する「アジア冬の学校」が相模原キャンパスで開催されました。アジア地区の研究コミュニティに対して総研大およびホスト機関の活動を知ってもらい、優秀な学生を獲得すること、またアジア地区の研究者同士の交流を促進するきっかけをつくることを目的として、総研大物理科学研究科の各専攻で毎年開催されているものです。

アジア地区の研究者の熱意は大変なものです。たった2週間の募集期間、しかもプログラムも概要しか出していない(怠慢失礼!)というのに、120件もの申し込みがありました。中には観光目的?というものもありましたが、高い競争率に助けられ、意欲も能力も優れた参加者がそろいました。

3日間のスケジュールは、宇宙科学専攻教員による講義9コマが中心でした。世話人としてはゆとりを持ったプログラムをつくったつもりだったのですが、悲しいかな日本人(宇宙研人?)のプログラム。結果的には参加者を1日中講義室に拘束することになり、参加者同士や講師との自由な議論を行う時間が少なかったとの感想を頂戴してしまいました。次回の課題です。

2日目に、参加者自身による研究発表会を行いました。一方的に情報を与えるだけではなく、より主体的に参加してほしかったからです。手前みそですが、これは面白かった。みんな熱心に発表をしてくれて、それぞれが自分たちの手を動かして、さまざまな工夫をして研究・開発を進めていることがよく分かりました。参加者の間でも活発な議論が交わされていましたが、もっと多くの宇宙研の皆さんに聴いていただきたかったものです。

参加者の多くが初めての来日で、本人も運営側も大変だったと思います。参加者にとって、総研大にとって、宇宙研にとって、アジアの宇宙科学にとって良い影響を残してくれれば幸いです。興味深い講義をしていただいた講師の皆さま、難しいリクエストに応えてくれたハーベスト関係者、サポートをしていただいた職員の皆さまにお礼申し上げます。

(山村一誠)

「はやぶさ」モデルの前で参加者集合写真