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ISASニュース

宇宙学校「しんじゅく」開催

No.360(2011年3月)掲載

JAXA宇宙研と「宇宙学校」の共催が決まったのは昨年の4月でした。子どもから大人まで楽しめる「宇宙学校」をやろう!との思いで、できる限りの周知をしていきました。開催日の2月6日(日)、会場の新宿区立落合中学校体育館は、午後1時には360名を超える参加者でにぎわいました。講演は、1時間目の阪本成一校長の「みえない光でみる宇宙」と、2時間目の矢野創先生の「はやぶさの卵を孵す」の2題でした。

阪本校長の、赤外線で撮った有名女優のCMを見せてNGシーンを暴くという話に、みんな大笑いしました。身近なところから宇宙の話へと発展させていく話術は、見事なものだと感心させられました。また、ブラックホールの食事(?)の映像にみんな驚きました。質問タイムには「宇宙の果て」や「ブラックホール」「宇宙プラズマ」などに関する興味深い質問が飛び交い、それらに阪本校長は優しく丁寧に答えてくださいました。

矢野先生は、小惑星探査機「はやぶさ」がなし得た偉業を詳しく説明して、小型ソーラー電力セイル実証機IKAROSや有人探査のことまで、丁寧に話してくださいました。小惑星イトカワの大きさを会場周辺の地図と比較して見せてもらえて、イトカワが身近な存在に思えました。また、今回の帰還技術を使ってアメリカなどの国と共同で研究をしていくことを熱く語っていただき、日本の技術の素晴しさをあらためて感じた時間でした。質問は、イトカワと「はやぶさ」関係に絞ったのですが、「はやぶさの足の蛇腹構造」や「IKAROSの膜」に関する質問など、専門的な内容に会場は沸き返りました。「はやぶさ2」の成功に向けてぜひとも頑張ってほしいと思います。

何よりうれしかったのは、当日ほかの公務を切り上げて新宿区中山区長があいさつに来てくださったことでした。関係していただいたすべての方々に感謝致します。最後に、私自身宇宙への夢を持ち続け、そしてこの「宇宙学校」が日本中に勇気と活気を取り戻す原動力であってほしいと望み続けております。

(新宿区落合中学校区地域スポーツ・文化協議会 石口孝治)

中学校の体育館は360名以上の参加者で埋まった