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ISASニュース

第59回JAXAタウンミーティング in 相模原

No.360(2011年3月)掲載

2月16日、「宇宙とつながる相模原」と題したJAXAタウンミーティングが宇宙研のお膝元にやって来ました。会場は、淵野辺駅前の桜美林大学・プラネット淵野辺キャンパスの劇場ホールです。平日の夜でしたが、約120名の方が来場しました。この会場の皆さんの声が、きちんと理事会議で報告され、議事録という形でJAXAのウェブページに載るところが、JAXAタウンミーティングの醍醐味です。

今回の話題提供者は、宇宙研の小野田淳次郎所長と宇宙環境利用センターの吉村善範センター長です。また、舘和夫広報部長がJAXAの概要説明を行いました。登壇者からは15分の話題提供があり、その後、35分の意見交換の時間が設けられます。この時間配分からも、会場との意見交換が重視されていることが分かります。直前の打ち合わせでは、質問への期待感がある反面、恐れの気持ちも見え隠れしていたように思います。

小野田所長の「日本の宇宙科学」と題した話題提供では、小惑星探査機「はやぶさ」をはじめ、宇宙研のさまざまな活動が紹介されました。討議の時間では、「はやぶさ2」への期待、小型衛星を活用したオープンな宇宙利用などが話題になりました。また、「日本の宇宙関連予算が少ないのでは?」との意見に、小野田所長が「わが意を得たり」とばかりに同調する場面もありました。一方で、「週末に宇宙研生協を営業してほしい」との意見には、歯切れが悪くなる一幕もありました(宇宙研所長の裁量では決められないので、当然といえば当然です)。

吉村センター長からは、「国際宇宙ステーション・利用活動について」と題した話題提供がありました。宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機の打上げ直後とあって、国際宇宙ステーションへの関心は高かったです。個人的には、「こうのとり」を有人ミッション化するには「技術的には10年もあれば可能」と言い切る吉村センター長の自信に満ちた姿が印象的でした。「こうのとり」を通して“あの”NASAの信頼を勝ち取るという、ある意味大きなミッションを成し遂げた人の強さなのでしょう。

また、JAXAの広報活動についての応援・要望も多く寄せられました。JAXAiの閉館や宇宙教育の認知度の低さなどが指摘され、もっと頑張れ、とのエールを送っていただきました。

(高木俊暢)

日本の宇宙開発について活発に意見が交わされた