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ISASニュース

宇宙圏研究会「SPICAサイエンスワークショップ」開催

No.359(2011年2月)掲載

2010年12月16〜17日の2日間、宇宙圏研究会「SPICAサイエンスワークショップ」が国立天文台三鷹の大セミナー室で開催されました。SPICA(Space Infrared Telescope for Cosmology and Astrophysics)は、次世代の宇宙赤外線天文台で、絶対温度6K(マイナス267℃)に冷却した口径3.2mの大型望遠鏡を、太陽・地球で構成されるL2点(地球からおよそ150万kmの場所)に設置します。このように大規模なSPICA計画を実現するためには、天文コミュニティからの幅広い支援が必須です。SPICAプリプロジェクトチームは、国内の天文コミュニティグループの協力を得てワークショップを開催し、110名を超えるさまざまな分野の研究者の方々に参加いただきました。

SPICA計画では、「銀河はどうやって誕生したのか」「太陽系のような惑星系は何を原料にどういうプロセスで形成されたのか」を明らかにすることを目標に掲げています。この目標を達成するために提案された観測装置の具体的な仕様に基づいて、さまざまな分野で活躍している研究者の方々にご講演いただき、参加者全員で深く掘り下げた議論を行いました。

SPICA計画は、欧州・米国・韓国なども参加する国際ミッションです。SPICA計画が今後、正式なプロジェクトに移行するためには、搭載される観測装置の仕様を明確にしなければなりません。今回のワークショップは、日本・韓国が提案する観測装置の仕様を決める重要なステップに位置付けられています。欧州および米国から提案される観測装置も同様の手続きを経て、SPICAに搭載する観測装置を最終的に決定します。

今回のワークショップにより、天文コミュニティでのSPICAへの関心がより広がったと思います。このワークショップの講演資料や議論の内容は(新しいウィンドウが開きます SPICA Science Workshopのホームページ)に掲載してあります。ぜひ多くの方々がSPICA計画に興味を持ち、プロジェクトに参加・支援していただければと思います。

(川田光伸)

SPICAへの搭載が提案されている観測装置について熱い議論が繰り広げられた