宇宙航空研究開発機構 サイトマップ

TOP > レポート&コラム > ISASニュース > 連載の内容 > ISAS事情

ISASニュース

第11回「宇宙科学シンポジウム」開催される

No.359(2011年2月)掲載

1月5日から7日まで、「宇宙科学シンポジウム」が相模原キャンパスにおいて開催されました。金星探査の提案が熱く議論された第1回シンポジウムから数えて、今年は11回目の開催になります。仕事初めの翌日からの開催にもかかわらず延べ764名もが参加し、盛大なシンポジウムとなりました。

「宇宙科学シンポジウム」は、宇宙研を中心に行われている宇宙科学研究の活動や将来計画について、理学と工学の研究者が一緒に分野横断的に議論できる、全所的な唯一の機会です。できるだけ深く議論する時間を確保するために、今年は3日間の日程で開催しました。

今年の目玉は2つの企画セッションでした。1つ目の企画セッションは「2030年代の宇宙科学」です。普段目先のプロジェクトや研究に力を注ぎがちですが、20年後には宇宙科学をけん引している年代になる30歳代の若手研究者6名に、単なる現在の延長ではない研究の世界や夢をイメージした上で、それに向けて何をすべきかという視点で話をしていただきました。将来の方向性についてホットな意見交換が行われました。もう一つの企画セッションは「次世代赤外線天文衛星SPICAの挑戦」です。半日を使い、大型ミッションになるSPICA計画について科学目的、技術、開発体制など多岐にわたる説明および議論が行われました。

ポスター発表には291件もの申し込みがありました。3日間通して発表できる場をつくるために、一般開放されている展示室の展示物を一部移動させて会場の一つにさせていただきました。その結果、多数のポスターを見るスペースも時間も十分に確保でき、すべてのポスター会場は盛況で夜遅くまで活発な議論が行われていました。

(世話人代表 清水敏文)

企画セッション「2030年代の宇宙科学」にて。講演した6名の若手研究者との議論で盛り上がった。