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ISASニュース

「あけぼの」22周年記念シンポジウム開催

No.357(2010年12月)掲載

11月22日から24日の3日間、磁気圏観測衛星「あけぼの」打上げ22周年を記念したシンポジウムを、東京工業大学・田町キャンパスにあるキャンパス・イノベーションセンターで開催しました。

「あけぼの」は、1989年2月22日にM-3SIIロケット4号機で打ち上げられ、現在も現役で観測を続けています。打上げ当初は、極域のオーロラ現象の解明を主目的としていましたが、そのほかの磁気圏研究テーマにおいても多くの成果を挙げました。また、「あけぼの」で培われた観測機器開発技術が、その後に続く「GEOTAIL」「のぞみ」「れいめい」「かぐや」などの衛星プロジェクトに生かされました。シンポジウムは「オーロラ現象」「放射線帯」「電離圏からのイオン流出」「内部磁気圏」「観測機器の開発」などのテーマについて、「あけぼの」がどのような成果を挙げたかだけではなく、その後の磁気圏研究の発展にどのようにつながっていったかにまで話題が広がるように構成しました。

このシンポジウムを計画するにあたり、なぜ「22周年」なのか、という質問をよく受けました。オーロラ現象や放射線帯の様子は、太陽の(黒点などの)活動や、太陽から太陽系内に広がる磁場に大きく影響されます。そして、太陽の活動度は11年の周期で増減し、太陽の大規模な磁場の向きは22年で元に戻ります。「あけぼの」にとって22歳という年齢は、人間の還暦のようなものです。

シンポジウムには、「あけぼの」打上げにご尽力された先生方から、22年前にはまだ幼児だったという学生さんまで、多くの方々にご参加をいただきました。個々の講演に比較的長い時間を当てたので、各テーマについて22年間にどのような進展があったのか、まだ未解明で残っている問題は何かなど、じっくりとお話を伺うことができたと思います。ご講演いただいた皆さまと、シンポジウム準備にご尽力いただいた方々に、心から感謝致します。

(松岡彩子)

パーティーでの集合写真