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科学衛星

2.国際協力

X線天文観測の分野では、宇宙科学研究所とNASAの間に、1989年初期から緊密な協力がありました。たとえば1991年に打ち上げられた「ようこう」(SOLAR-A)ミッションでは、控えめながら科学的に高い成果をあげた協力が行われました。ASTRO-Dにおける協力は2番目の典型例です。X線望遠鏡、X線CCDカメラ、コンピュータ・ソフトウェアの開発にNASAが協力するという協定が結ばれるのに、時間はかかりませんでした。

「ようこう」における協力と同様に、ASTRO-Dにおける宇宙科学研究所とNASAの協力も、機器を共同で開発することの重要性が強調されました。こうして、X線望遠鏡はGSFC/名古屋大学/宇宙科学研究所、CCDカメラはMIT/ペンシルヴァニア州立大学/大阪大学/宇宙科学研究所というグループ編成で開発されることになりました。撮像型蛍光ガス比例計数管は、東京大学/宇宙科学研究所のグループが受け持ちました。衛星運用、データ処理、データ解析のためのソフトウェアは、日本とアメリカの何人かのグループが緊密な協力をしながら開発することになりました。さらにNASAは、その深宇宙通信ネットワークによって追跡の支援もしてくれることになりました。

ミッションの科学的側面(たとえば科学的成果の最適化、観測計画)は、日本とアメリカから参加する科学者たちによって構成される国際的な「ASTRO-D科学ワーキンググループ」で議論されました。長老格の科学者が、アメリカから数人、イギリスから1人、実験アドバイザーとして参加してくれました。このワーキンググループは、下の表に示すように頻繁に会合を持ちました。この表にはまた、「あすか」の5年間の開発期間の間に、毎年どれくらいの人数の外国の研究者が参加したかを示してあります。

年度 ワーキンググループへの
外国人研究者の参加数
機器開発のための訪問(人/週)
アメリカへ 日本へ
1988 宇宙研 13 36 9
1989 GSFC 5 75 35
1990 宇宙研 14 30 5
1991 名大 19 18 32
宇宙研 21
1992 宇宙研 18 60 53