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小惑星探査機 はやぶさ

科学機器

AMICA(可視分光撮像カメラ)

AMICAは「Asteroid Multiband Imaging CAmera」の略で、色フィルターを用いたカラー情報を取得します。AMICAには、7バンドの色フィルタと偏光子が搭載されています。色フィルタは小惑星の望遠鏡による分光観測で実績のあるシステムとほぼ等価のものを搭載していて、小惑星表層のわずかな色の違いも判別することができます。

LIDAR(レーザ高度計)

LIDARは「LIght Detection And Ranging」の略で、レーザパルスを発射して探査機と小惑星の距離を測定するレーザ高度計です。小惑星イトカワに接近・着陸する「はやぶさ」にとって、LIDARは大変重要な航法センサーであるとともに、イトカワの自転を利用した表面形状測定、重力測定などの科学観測を行います。
「はやぶさ」に搭載されたLIDARの特徴は、構造材にマグネシウムを採用して徹底的に軽量化を図り、3.7kgというノートパソコンに匹敵する軽さであることと、小惑星への接近から着陸まで50kmから50mという大変広い距離測定範囲を持っていることです。

NIRS(近赤外線分光器)

NIRSは「Near InfraRed Spectrometer」の略で、近赤外線の分光器です。近赤外線分光器とは、太陽光がイトカワの表面で反射した光を分光する装置です。分光とは光を波長ごとに分解して波長ごとの光の強さ(小惑星表面の色)を調べることです。小惑星表面の色を近赤外の波長で調べることで、小惑星表面の鉱物の種類や表面の状態を理解することができます。

XRS(蛍光X線スペクトロメータ)

XRSは「X-Ray Spectrometer」の略で、小惑星表面の主要元素(岩石の分類に重要なマグネシウム、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、チタン、鉄など)の組成を調べる装置です。太陽X線が小惑星表面に照射されると、光電吸収と呼ばれる現象によって表層岩石中の原子がエネルギーを吸収し、その一部をX線(蛍光X線)として放射します。蛍光X線は元素に固有です。小惑星は蛍光X線でかすかに光っており、そのエネルギーの違いを計測することで元素組成を決定できます。
XRSでは太陽X線の強さの変化を補正するための標準試料ガラス板を搭載しました。これは世界初のアイデアです。