A.プラズマアクチュエータによる超音速キャビティ騒音の制御に関する研究(その2)

B.プラズマアクチュエータによる超音速キャビティ騒音の制御に関する研究(その2)

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研究申込者

藤井 孝藏 (ISAS/JAXA)

研究要旨

プラズマアクチュエータによる超音速キャビティ騒音の制御の可能性を探るため,昨年 度に引き続き,高速気流総合実験設備を用いて実験を行った.実験模型の断面図と外観 写真を図1に示す.模型内マッハ数は約1.83 である.今年度はキャビティ前方の角部に プラズマアクチュエータを取り付け,流れに垂直方向キャビティ外向きに誘起速度を発 生させることで(図2),超音速キャビティの音響特性を制御できるかどうかを調べる ことを目的に実験を行った.本実験では,キャビティ流れの変化を観測するためシュリ ーレン画像を撮影するとともに,キャビティ背面に設置した非定常圧力センサで圧力変 動を計測した.またオシロスコープを用いて,通風中の通電状況を確認した.




Key words

流れ制御,プラズマアクチュエータ,キャビティ流れ



2009年度の研究成果

本年度の実験では,プラズマアクチュエータをつけない場合に発生することが確認さ れている28kHz 付近のキャビティ音のPSD 値が想定されている値よりも低い値で観測 された(図3).これはキャビティ背面に設置した非定常圧力センサの不具合によるも のと考えられる.このことにより,プラズマアクチュエータを駆動させた場合,プラズ マアクチュエータが発生するノイズにキャビティ音が埋もれてしまい,プラズマアクチ ュエータの効果が確認できなかった.シュリーレン画像からも,超音速キャビティ流れ が作る衝撃波の強さや位置に目立った変化はみられなかった.
また,オシロスコープにより通電状況を確認することにより,通風直後に通電状況が 悪くなっていることがわかった.これは風洞のスターティングロードにより,プラズマ アクチュエータ回路が破損し,漏電したことを示唆している.
今後は,非定常圧力センサを複数用意しセンサの不具合に備えるとともに,誘電体の 材料を工夫するなどしてスターティングロード対策を整えたい.その上で,入力周波数 を変化させたりバーストを導入するなどして,プラズマアクチュエータによる超音速キ ャビティ騒音制御の可能性を探っていきたい.



利用期間

A.平成 21 年 10 月 5 日 〜 平成 21 年 10 月 9 日

B.平成 21 年 10 月 12 日 〜 平成 21 年 10 月 16 日

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