三次元物体まわりの超音速流密度場に対するBOS画像定量計測

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研究申込者

前野 一夫 (千葉大学)

研究要旨

  本研究では,非常に簡素な光学計測系で定量的な密度計測が可能であるBackground Oriented Schlieren (BOS)法に着目し,大型の風洞における密度情報の定量計測を試みた.BOS法の測定原理は従来のシュリーレン法と同様で,媒質の密度変化による光の屈折を利用している.従来のシュリーレン法では平行光束を作り出すための凹面鏡や点光源とするためのピンホールなど多数の光学装置が必要であるが,BOS法では図1に示す様に適当な背景画像(Background)と撮影を行うためのデジタルカメラのみで定量的な計測が実現できる.観測部内に生じた衝撃波などによる密度変化による光の屈折による背景画像の歪みをデジタルカメラで撮影し,画像解析によってこの歪み量(局所の背景画像の移動量)を定量的に求めることによって,従来のシュリーレン法では実現する事が困難であった密度情報の定量計測が実現できる.この点がBOS法の大きな特徴であり,計測対象の大きさにも制約がないことも利点の1つである.超音速風洞ではこれまでにも干渉計を利用した定量計測が試みられてきたが,通風時の振動などが原因で定量計測は実現されていない.そこで本研究では比較的大型であるJAXA-ISAS超音速風洞においていくつかの非対称型模型をもちいて,物体まわりの流れ場の定量計測を試みた.



図1.BOS setup  


Key words

Background oriented schlieren (BOS),定量画像計測



2009年度の研究成果



利用期間

平成21年 7月13日 〜 平成21年7月24日

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