インフレータブル構造を有する大気突入飛行体に関する研究

フレア型柔軟エアロシェルを有する大気突入機に関する研究

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研究申込者

安部 隆士 (ISAS/JAXA)

研究要旨

 次世代の大気突入システムとして柔軟構造エアロシェルが注目されている.我々のグループでは,特に,図1に示すようなインフレータブルトーラスで支持された薄膜フレア型柔軟エアロシェルについて研究開発を進めており,数年度には,観測ロケットにより大気突入試験を計画している.ただし,このようなインフレータブル構造を有する柔軟なエアロシェルの高速気流中での挙動や特性は明らかになっておらず,それを実験的に確認する手法も確立されているとはいえない.そこで,本研究では,図2で示すようなインフレータブルトーラスを剛体リングで模擬したフレア型エアロシェルの全機模型と,単純な形状のインフレータブル構造模型の2種類の模型を用いて,柔軟エアロシェル飛翔体の遷音速・超音速風洞試験手法の確立,及び,それらについての基本的な挙動及び空力特性の取得を行った.なお,これらの模型は共に,実際の大気突入機に適用する際の,材料の候補のひとつであるZYLON織物で製作されている.
 将来的には,これらの経験を踏まえて,インフレータブルトーラスで構造を支持する薄膜フレア型柔軟エアロシェルを有する模型による遷音速・超音速風洞実験を実施し,観測ロケット実験用の実験機,さらには実際の大気突入機の設計に反映できるデータ取得を目指す.


図1:インフレータブルトーラスで支持された薄膜フレア型エアロシェルを有する大気突入システムの概念図



図2:本試験で用いた柔軟構造エアロシェルを有する模型の通風中の様子
(左:剛体フレームで支持された薄膜フレア型エアロシェル模型,右:球形インフレータブル模型)


Key words

柔構造エアロシェル、再突入、流体構造連成



2009年度の研究成果



利用期間

2009年6月22日〜6月26日
2010年1月12日〜1月15日

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