始動時の流れの解明
研究申込者
入門 朋子 (ISAS/JAXA)
研究要旨
Blow-down式の超音速風洞においては,流れが定常流になった状態と比較して,風洞始動時に過大な衝撃荷重(Starting loads)が模型や支持装置などにかかることがよく知られている.そこで,ISASの超音速風洞における衝撃荷重を調べ,その流れ場の詳細データを取得し,力のメカニズムを解析することを目的とした.
実験条件としては,マッハ数1.5,2.0,2.5,3.0,3.5と,よどみ点圧力をパラメータとしその影響を調べた.なお,この風洞においてはエジェクタを使用することにより,エジェクタの無い風洞に比べて,低いよどみ点圧力で実験可能であるため,より広範囲なよどみ点圧力による影響を調べた.
その結果,最小始動圧力を超えるよどみ点圧力の実験条件では,よどみ点圧力の上昇とともに衝撃荷重は減少する傾向を示した.また,最小始動荷重より低いよどみ点圧力の場合において,マッハ数が3.0以上の場合はよどみ点圧力が高くなると衝撃荷重は減少し,マッハ数が2.5以下ではよどみ点圧力を下げると衝撃荷重データのばらつきが大きくなるとともに,減少する傾向にあることがわかった.
Key words
Fluid Transient, Supersonic Flow, Shock Wave
2008年度の研究成果
入門朋子,佐藤清,藤井孝藏, 超音速風洞始動時の流れ−ISAS風洞−,第40回流体力学講演会 仙台, 2008
利用期間
2009年2月2日〜2月13日