超音速インテークダイバータ基礎試験　　

研究申込者

亀田　正治　（東京農工大学）　　

研究要旨

　エンジンインテーク前方の胴体（翼）で発生する境界層流入を防ぐために，インテークと胴体との接合部にすき間を設けるための構造物をダイバータという．本実験の前半では，平板上にインテークランプのみを載せた簡易模型を用いて，ランプから生じる衝撃波と境界層との干渉を詳しく調べることを目指した．しかし，模型とスティングを接続する部品（ジョイント）が破損したため，所期の実験データは得られなかった．
　本実験の後半では，高迎角遷音速デルタ翼（後退角65°）に生じる衝撃波振動現象（バフェット）のＰＳＰ計測を実施した．本研究グループで開発している塗装型高速応答ＰＳＰを用いた実験より，圧力，温度の画像計測（図１）に成功し，１ｋＨｚの変動を１ｋＰａ程度の精度（図２）でとらえることに成功した．

図１　翼面上の圧力，温度分布（M = 0.9, 迎角20°, 総圧150 kPa, 翼根長150 mm）


図２　小型半導体センサ（Kulite XCQ-062）とPSPによる非定常圧力計測結果の比較（実験条件は図１と同じ）

Key words

超音速流れ，インテーク，衝撃波/境界層干渉，感圧塗料

2008年度の研究成果

Kameda, M., Seki, H., Makoshi, T., Amao, Y. and Nakakita,K.,
Unsteady measurement of a tranosonic delta wing flow using a novel PSP, AIAA Paper No. 2008-6418,2008

Gregory, J., Asai, K., Kameda, M., Liu, T. and Sullivan, J.P.,
A review of pressure-sensitive paint for high speed and unsteady aerodynamics,
Proceedings of the Institution of Mechanical Engineers, Part G: Journal of Aerospace Engineering 222-2,pp. 249-290,2008

馬越太郎，関仁志，亀田正治，中北和之,
遷音速デルタ翼面非定常圧力のPSP計測,第40回流体力学講演会講演集,pp. 369-372, 東北大学,2008

馬越太郎，関仁志，竹田敏広，亀田正治，中北和之,
超微粒子ＰＳＰを用いた遷音速デルタ翼面非定常圧力計測,
宇宙航行の力学シンポジウム,ISAS, 2008

利用期間

2008年12月1日〜2008年12月12日