鈍頭物体まわりの衝撃波流れの画像計測

研究申込者

前野　一夫　（千葉大学）

研究要旨

本研究ではJAXA-ISAS超音速風洞を用いたマッハ数２の超音速流れ中で、BOS (Background Oriented Schlieren)法を用いて模型周りの流れの定量計測を行った。この手法は近年G.E.A. MeierらによってPIVの技術を応用し提案されたものである。BOS法では基本的に光源と背景画像、デジタルカメラだけで実験を行うことができ、従来のシュリーレン法よりも光学装置の数を減らすことができる。さらに撮影された背景画像を解析することによって、流れ場の密度情報を定量的に求めることが可能である。本研究では独自に、縞パターンを利用するStriped-Pattern BOS法を開発し、その手法を用いて軸対称および非対称物体模型周りの衝撃波を含む超音速流れの計測実験を行い、従来のシュリーレン法によって得られた可視化結果と比較した。さらに、得られた背景画像の解析も行い模型周りの定量的な密度情報を求めた。軸対称物体についてはCT手法を使用して三次元的密度計測情報を得た。

Figure　 Measured and processed BOS image and displacement data along A-A’ line　 [180°]

Key words

Background oriented schlieren (BOS), Quantitative image measurement, Density gradient distribution, Supersonic flow, Stripe pattern BOS, CT

2008年度の研究成果

前野一夫、太田匡則、濱田健太、Nurul H.B.Zulkifli,
３次元物体周りの超音速流れに対するStripe-Patterned Background Oriented Schlieren(SPBOS)法による定量画像計測の試み,平成２０年度宇宙航行の力学シンポジウム, JAXA-ISAS　2008年

前野一夫、太田匡則, BOS画像計測法の新しい展開と圧縮性流れへの適用, 平成２０年度航空宇宙空力班シンポジウム「航空宇宙工学における空気力学の挑戦」, 佐賀県　2009年1月

太田匡則、濱田健太、Nurul Hazwani Binti、前野一夫, Background Oriented Schlieren (BOS)法による円錐物体まわりに対するCT密度計測, 平成２０年度衝撃波シンポジウム, 名古屋大学 2009年３月

濱田健太、Nurul Hazwani Binti Zulkifli、太田匡則、前野一夫, Background Oriented Schlieren (BOS)法による非対称物体周りの超音速流れの定量的可視化計測, 平成２０年度衝撃波シンポジウム,
名古屋大学 2009年３月

Masanori Ota, Kenta HAMADA, Nurul H. B. ZULKIFLI , Kazuo MAENO, Computed Tomographic Measurement of Supersonic Flow Field by Stripe-Patterned Background Oriented Schlieren (SPBOS),
Third International Workshop on Process Tomography (IWPT-3), 東京、日本大学 2009年４月

利用期間

2008年9月22日〜2008年10月3日