クロースカプリング式先尾翼機体の遷音速・超音速空力特性の解明

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研究申込者

新井 隆景 ( 大阪府立大学 )

研究要旨

超音速飛行時と亜音速飛行時の空力性能の両立を目指して、close Coupled Canard を持つ 小型超音速機模型を設計製作した.通常のControl Canard に対して,close Coupled Canard を持つ本機体は、離着陸時を想定した速度域における空力特性に優れていることを,大阪 府立大学所有の低速風洞試験で確認した.それを受けて,遷音速,超音速試験をISAS/JAXA の高速気流総合実験設備(遷音速/超音速風洞)を用いて行った.図1 に風試模型,図2 に風試結果の一例として揚力係数−迎角のマッハ数依存性を示す。風試の結果,遷音速, 超音速領域ともに,Close Coupled Canard としたことによる弊害はなく,ほぼ期待通りの 空力性能を得ていること,さらに,本機体は遷音速,超音速領域においても縦方向の静的 安定性があり,その微係数はマッハ数によらずほぼ一定であること,遷音速時の縦揺れモ ーメント係数の変化も小さく,カナード等の蛇角の制御で十分対応できることもが分かっ た.すなわち,本機体は,機体制御則を構築し易い機体と言えることが判明した.今後, カナードと主翼との最適な位置関係を渦干渉の観点から調査する予定である。
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図1 風試模型
    図2 揚力係数


Key words

Aerodynamics, Close Coupled Canard, Delta Wing, Unmanned Vehicle

2007年度の研究成果

新井 隆景 (大阪府立大学), 坂上 昇史 (大阪府立大学), 久保 良介 (大阪府立大学),  楠亀 拓也 (大阪府立大学),  ” Close Coupled Canard を持つ小型超音速機模型の空力特性 ”,  平成19年度宇宙航行の力学シンポジウム,  相模原,  平成19年12月14日〜15日.

利用期間

平成19年5月21日〜5月25日