衝撃波干渉を利用したウェーブライダーの超音速風洞実験

Return to List

研究申込者

川添 博光 ( 鳥取大学 )

Abstract

本研究は衝撃波の干渉を利用し,従来のウェーブライダーに比べ高いL/Dが得られる新しいウェーブライダーの開発を目指している.これは,機体形状により発生させた複数の衝撃破を干渉させ,その衝撃波干渉により翼下面に高圧力領域を形成することで, 従来のウェッジ型ウェーブライダーに比べ,揚力の大幅な増加が期待される.実験によると, 衝撃波干渉型ウェーブライダーのtype1ではウェッジ型に比べ,揚力はわずかに減少したものの, 抗力が9.8 %と大幅に減少したため,L/Dは7.2 %の増加となった.また, type2では, 揚力は12%の上昇となった. また,圧力測定の結果からも, 衝撃波干渉によって機体下面に高圧領域を形成していることが確認できた.また,スパイク効果によるものと思われる抗力減少でL/Dは増加し,機体空力特性が向上することが確認できた.さらに,衝撃波干渉の位置を制御することで, ピッチングモーメントや揚抗比などの空力特性に影響を及ぼすことも分かり,これは広範囲の飛行マッハ数におけるウェーブライダーの飛行制御性への寄与が期待できる.今後は, より効果的な機体形状を探索し, その特性を調査していきたい.

Key words

Wave-rider, Shock-shock interaction, L/D, static pressure

2005年度の研究成果

第43回 飛行機シンポジウム, 名古屋国際会議場 平成17年10月12日〜14日

平成17年度宇宙航行の力学シンポジウム, 宇宙科学研究本部 平成17年12月12日〜13日

利用期間

平成17年8月1日〜8月5日