いろいろな天体・現象などの解説
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天体・天体現象
核融合暴走型(Ia型)の超新星爆発
太陽の8倍より軽い恒星は、その一生の最後に、地球ほどの大きさに縮んで冷えていき、白色矮星と呼ばれる天体となる。もし白色矮星が他の恒星と連なって回っているとしたら、その恒星から白色矮星に向けて水素ガスが流れ込む。そして重さが限界を超えたところで、核融合反応が暴走して、大爆発を引き起こす。これが「ティコの超新星」などが属する核融合暴走型(Ia型と呼ぶ)の超新星爆発の標準モデルと考えられている。
Ia型は全宇宙の超新星爆発の3分の1を占め、鉄の大半を生成していると考えられているが、その爆発メカニズムはほとんど解明されていない。なお、大質量星は、進化の果てに重力崩壊して超新星爆発(II型)となる。
減衰ライマンα吸収線
遠くの明るい天体(主にクエサー)と我々の間の宇宙空間に物質(主に銀河のガス)によって、天体のスペクトルに吸収線が見られる。
その吸収線の波長や強度によって吸収体に含まれる元素の密度や電離状態を調べることができる。
これらは、クエサー吸収線系と呼ばれている。
これらのうち、特に吸収体の密度の高く、吸収線に減衰ウィングと呼ばれる輪郭が見られるものを
減衰ライマンα吸収線系と呼んでいる。
その正体は、遠方の銀河のガスと考えられている。
観測プロジェクト
X線天文衛星「すざく」
2005年7月10日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた、わが国5番目のX線天文衛星。
これまでに、われわれの銀河系の中心部の激しい活動、隠されたブラックホールの発見、宇宙線の起源解明など、数多くの成果を挙げてきた。
「すざく」衛星のページ(JAXA)
その他
クロムとマンガン
クロム(Cr:原子番号24)とマンガン(Mn:原子番号25)は、周期律表で鉄(Fe:原子番号26)の直前に位置を占める兄弟元素。
鉄はクロムやマンガンを含むことで、さまざまな機能材料となり、現代社会で重宝されている。クロムはギリシャ語のクローマ(色)に由来しており、その化合物はさまざまな色を持つ。鉄・ニッケルとの合金はステンレスと呼ばれており、耐食性を持つ優れた素材である。
マンガンは硬いが脆い金属であるが、鉄との合金は焼き入れ性や強度が向上するので、自動車の車体、レール、産業機械など、ありとあらゆるところで利用されており、製鉄業界では欠かせない元素である。資源の大半を南アフリカに依存しているが、日本近海にもマンガン団塊として大量の資源が眠っている。ただし、それを採掘する方法は発見されていない。
レアメタル
鉄やアルミニウムなどの金属とは違い、その生産量や埋蔵量が限られている希少金属のことを指す。
レアメタルは機能材料として優れているので、産業界のあらゆる場面で用いられる。しかし、産出国が南アフリカや中国などに偏っているので、近年はその確保が国家的な課題となっている。