水星の日面通過


 1993年11月6日、7年ぶりに水星の日面通過が起こりました。 この現象を太陽観測衛星「ようこう」は、見事に捉える事に成 功しました。
 左側の画像はX線で見た太陽コロナの姿(上が太陽の北極) です。下の方の直線部分が水星が日面通過をする様子を示した ものです。右側の画像は、日面通過の部分を拡大し、時間とと もに水星が移動していく様子を示したものです。 黒い小さい点が水星ですが、黒く見えるのは、太陽が放射して いるX線が水星の通過によってさえぎられるためです。
 この日面通過時の水星の運動の様子とX線像から、正確なX線望 遠鏡の姿勢や光学特性などが得られ、その結果太陽コロナの活 動領域やコロナホール(左側の写真の暗い部分)の温度、密度、 その他の物理量を正確に推定する事が可能となりました。
 太陽コロナの前面を通過していく水星の姿。なかなか迫力のある 光景だとは思いませんか。

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