ご挨拶

宇宙航空研究開発機構 (JAXA)・宇宙科学研究所(ISAS)は、日本における宇宙科学研究の中核研究所であり、大学共同利用機関として国内外の関連研究者と協力し、特徴ある優れた宇宙科学ミッション(科学衛星・観測ロケット・大気球)の開発・飛翔実験・運用を行っています。これにより、宇宙について、また太陽や地球を含む我々の惑星系について、国際的に評価の高い知見が得られてきました。

これらのミッションは、国内の大学や研究機関に所属する研究者の皆さんによって提案されます。宇宙理学委員会は、それらのうち理学研究に関する新規ミッションの募集・審査を行い、実施すべき理学ミッションを宇宙科学研究所長に推薦し、また開発中・運用中の理学ミッションの状況をモニターする役割をもちます。また、宇宙理学委員会の委員は、全国の宇宙科学研究者(宇宙理学メンバ)による投票を尊重して選出されます。それゆえ、宇宙理学委員会は全国の関連研究者の意向を代表する機能をもち、自発的な宇宙科学ミッションを実現する上で、重要な役割を果たしています。

2015年12月にはイプシロンロケットにより、ジオスペース探査衛星「あらせ(ERG)」の打ち上げが成功しましたが、宇宙基本法を踏まえて2013年1月に宇宙基本計画が制定されるなど、宇宙科学を巡る環境も急速に変化しています。第7期宇宙理学委員会では、そうした状況の変化のなかで、高い見識と先見性をもって宇宙科学の将来を拓くために努力しています。特に、将来20年程度を視野に入れた宇宙科学戦略の検討、科学衛星の審査および中間評価方法の改善、国際協力を含む多様な打ち上げ機会の確保、JAXA内外を通した技術レベルの確保と伝承、大学等とのより実効ある協力体制の構築、国際協力をより円滑に進めるための体制作りなどに継続して取り組む必要があります。

宇宙理学員会は、JAXAの広汎なミッションに対し、理学研究の立場から支援や推薦、また課題の指摘を行うことができる唯一の組織であり、宇宙工学委員会とともに、全国の研究者コミュニティと宇宙科学研究所との連携を進める重責を負っています。そのリーダーシップに対する期待と信頼は、依然として高いものがあり、それに背かぬよう努力する所存です。

宇宙理学委員会委員長 山田亨