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Category: Columns_jp
Posted by: HayabusaLive
豪州出発前、カプセル回収チームは『全員』が口を揃えて「ビーコンが出たら絶対回収してみせる」って言って旅立っていったんです。
有言実行、恐れ入りました。
回収チーム、電波・光学方探(方向探査)チーム、その他現地入りしたスタッフ、そして豪州政府に感謝を祝福の嵐を!(IES兄)

回収チームからは出発前に沢山のメッセージを書いてくれています。
http://bit.ly/aEfAtd
回収が終わった今読み返すと感慨深いです。そして、バトンはいよいよアンカーに渡ります。
解析を行う安部先生のメッセージはこちら
http://bit.ly/a5blvA
(兄)

6/15午前10時半。再突入から1日半後です。昨日のカプセル回収作業の様子がJAXAのページに載っています。
http://bit.ly/alB7IT
カプセル本体は既に現地本部への輸送されているようです。(IES兄)

6/15午後10時。再突入から2日後です。
このツイッターよりも先に色々なチャネルから情報が出ていますね。
ツイッターは速報性が高い!
このアカウントではそれらの画像に情報という付加価値を付けて発信します。
ヒートシールド回収写真はこちら
http://twitpic.com/1wzcn0
(兄)

かなり前のブログに、ヒートシールドの解説記事を書いています。
よく「大気との摩擦熱で…」という説明を目にしますが、実際には摩擦熱ではなく、大気が急激に圧縮 (断熱圧縮) されることによる温度上昇です。
詳しくはこちら
http://bit.ly/atP4FU
(IES兄)

カプセル回収に関する動画はNHKさんのところで見られるようですね。
2分26秒もニュースで取り上げて頂きありがとうございました。
動画はこちら
http://bit.ly/9BDk0t
コンテナを押す回収隊の元気な顔が見られて嬉しかったです。
相模原で待ってるぞ!(IES兄)

フェイスシールドに防護服の完全防備は、パラシュートを放出するのに使った火薬が万一残っている場合に備えているのでしょうね。
先生達が帰ってきたらまた聞いてみます。(IES兄)

一方こちらは、その前の「カプセル発見時のオペレーションルーム」の様子です。
日本を発つ前は今まで見たこと無いほど険しい顔だった山田(哲)先生のこの笑顔。
まさに破顔一笑といえる清々しさですね!
http://twitpic.com/1wzti2
(IES兄)

2010/06/16 00:06 JST: 運用室の一コマ

Category: Columns_jp
Posted by: HayabusaLive
6/17午後5時。再突入から18時間後。続報待ちです。
一夜明けて運用室を覗いたら、静かないつも通りの風景でした。
また地球周回衛星や探査機の運用が、今日もいつも通り粛々と行われるのでしょう。
一礼して部屋を後にしました http://twitpic.com/1wop2r (IES兄)
Category: Columns_jp
Posted by: HayabusaLive
あかつきくんから、激励のメッセージをいただきましたよ。
ありがとう。あかつきくん。
『 はやぶさ兄さんへ 最後の大仕事ですね 成功を信じています! イカロス君と一緒に しっかり目に焼きつけております。 お体に気をつけて頑張ってください!  あかつきより 』

イカロス君からもメッセージをいただいたわ。ありがとう。イカロス君。あなたが上手に帆を張れて、私もうれしいわ。少し遅くなってしまいましたが、ばあやからも、おめでとうございます。
『はやぶさ兄さんへ 宇宙に飛び出すのは不安でいっぱいだったけどはやぶさ兄さんがいてくれたお陰で楽しい旅になったよ。兄さんが地球に戻る前に僕の帆を拡げた姿を見せられてホントよかった!兄さんと別れるのはさびしいけど、兄さんが選んだ道だから…しっかりと勇姿を目に焼き付けて、僕は先に進むね いつか弟と呼べる探査機がきて兄さんのこと話してあげれるといいなぁ イカロスより 』

宇宙が少年を男にしたのでしょうか。
イカロス君、あかつき君、あなたたちがどんどん成長していくのを感じるわ。
そして、もちろん、はやぶさ君、あなたもよ。立派になったわね。
(ばあや)

2010/06/12 21:29 JST: メーカーさん、ありがとう

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Posted by: HayabusaLive
昨日の朝の東海ラジオで、軌道決定担当の大西隆史さん(富士通)が「はやぶさ」を語ってくれたようです。
http://tokairadio.co.jp/blog/morgen/index.php?ID=81

富士通さん、NECさん、三菱電機さん、そして全ての社名を挙げきれませんが、多くのメーカーさんの尽力で「はやぶさ」は生きています。
(IES兄)

2010/06/12 21:27 JST: 写真など

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Posted by: HayabusaLive
【豪州の星空】
先日の画像が暗かったので差し替えました.
撮影:方探第2班・関妙子さんカメラ:CANON EOS Kiss X2 レンズ:EF15mm Fisheye ISO400 F2.8 60秒(delta-V) http://twitpic.com/1vuou8

【イトカワラッコ】
「はやぶさ」が探査した小惑星イトカワ。奇抜な形をラッコに見立てた研究者のいたずら書きが、当時所内でもネットでも好評でした。
科学チームの平田さん(現・会津大)が描いた「イトカワラッコ」の由緒正しい最初期版を公開です!
http://twitpic.com/1w3m2f

この絵は「はやぶさ」が撮影したイトカワの画像の上に加筆して描かれました。
当時、観測データの解析を行っていた部屋には科学解析専用のソフトしかなかったため、「ω」や「o」などの書き文字だけでラッコの顔を描いたそうです。
(delta-V)

(ウルトラマンタ○ウの声で)「これが『イトカワ』の姿か・・・」。
このラッコのお腹に149ヵ国88万人の署名が入った「ターゲットマーカー」が落とされ、はやぶさを導きました。
応募頂いた方々、憶えていますか?
http://www.jaxa.jp/article/special/hayabusa/sawai_j.html
(IES兄)

2010/06/12 00:07 JST: ツイッターの過去ログ

Category: Columns_jp
Posted by: HayabusaLive
あと48時間になりました。ツイッターは時々繋がらなくなるので、はやぶさブログ(ここ)も併用してリアルタイム更新に努めます。
またこれまでのツイートはツイログ( http://twilog.org/Hayabusa_JAXA )に纏まっていますのでご覧下さい。(兄)
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Posted by: HayabusaLive
タイトル:性能計算書・改

宇宙研元OP(オペレーション)班の周東さんが、はやぶさの帰還にあわせて、あの性能計算書(※1)をバージョンアップしてくれました。
以下、周東さんの弁

『私たちが送り出した「虎之児」が7年ぶりの寅年に戻ってきます。
そこで性能計算書の表紙のニューバージョンを作りました。
お酒はもう予約しました。送り出した時と同様、このラベルに貼り替えて出迎えたい。』

20100610-ラベル改_lite.png
<クリックすると全体表示・実寸>


どのへんがバージョンアップされたのか、旧バージョンそして本家ラベルと三つを比較してお楽しみ下さい。
※ロケットと衛星の軌道計算について(宇宙研物語 第10章)
http://www.isas.jaxa.jp/j/japan_s_history/chapter10/06/index.shtml


「はやぶさ」の打上げ用に選ばれたのは佐賀県のお酒『虎之児』。
同じお酒は井手酒造さん(※2)のネットショップから購入できるようですよ。
http://www.toranoko.co.jp/
※東京付近なら三日で届くとか何とか・・・
(注:お酒は二十歳になってから)


この「性能計算書・改」には的川先生も大変喜んだようです。


※1 性能計算書とは:
宇宙科学研究所の人工衛星・探査機の打上げの度に,OP(オペレーション)班が作成する「性能計算書」という書類があります。ロケットの飛翔計画,衛星・探査機の初期軌道計画をまとめたもので,関係する一部の実験班にしか配られませんが,その書類にはそれぞれ名前がつけられています。1966年のL-4S-1号機の「Hatellite」から始まり,「Seventh Star」などの『たばこシリーズ』,1980年のM-3S-1号機からは,現在に続く『酒シリーズ』で,衛星計画にちなんだ(?)酒のラベルを見つけてきてはオリジナル版を作ります。といっても「性能計算書」の表紙の上だけで,オリジナルラベルで売り出すわけではありません。
(以上、右のリンクより抜粋 http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.267/isas.html
<参考記事>
「特集 性能計算書とM(ミュー)の衛星(こども)たち」
http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.310/ISASnews310.html

※2 ご協力頂いた醸造元の社長さんからは、たくさんの「虎之児」を送って頂き、さらに「ISASニュース」エッセイへの玉稿も頂戴しました。
・エッセイ「うれしい手紙」 http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.295/shochu.html
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Posted by: HayabusaLive
はやぶさのμ10イオンエンジンは、その生みの親であり、豪州で待つ國中先生の方へ、忠犬の如く一直線に駆けてゆきました。
システムの累積運転時間:4万時間は世界一です。
いや、そんなことに関係なく『我らのイオンエンジンは世界一のエンジンだ!』と今なら胸を張って言えそうです。

皆さん,μ10イオンエンジンは立派に役目を果たしました。
メインエンジンの枠を超えて「はやぶさ」の失われた機能をサポートしきった我らのエンジンを誇らしく思います。
万感の想いで運転終了のシール(五角形※2)を運用室の窓に貼りました。
                             (IES兄)
20100610-完走_lite.png
※1 大きい画像は http://twitpic.com/1v7xr7 にあります。

・・・・・・まっすぐ貼れたかどうかはちょっと自信がありません。よく見えなかったから。

※2 波動エンジンじゃないんですよ。メインエンジンと補助エンジンにそれぞれイオン源と中和器の画像がはめ込まれてます。
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Posted by: HayabusaLive
「はやぶさ」のこれまでの総航行距離はどのくらいか?というご質問をよく頂きます。ちょっと長めの文章になってしまいますが、以下でご説明いたします。

まず最初に、実は、この航行距離というのはあまり意味がないのです。多分、探査機を、地上を走る車のようにイメージしてその“走行距離”というものを気にされているのだと思います。地上を走る車でしたら、この走行距離というものが意味がありますが、宇宙空間を航行する探査機にとってはあまり意味がありません。それは、いったん、地球の引力を振り切って宇宙空間に放出されれば、何もしなくても太陽の周りを回ることになるからです。例えば、探査機を打ち上げるのに使われたロケットの上段が、地球引力を振り切って飛び出していった場合、何も制御はされないわけですが時間が経てば経つほど、航行距離は伸びていくわけです。(地上を走る車の場合、何もしないと止まってしまいますから、走行距離は伸びないわけですが。)

さらに、座標系の問題があります。皆さんが気にされているのは、太陽の周りをどのくらい航行したか、なのですが、これは、暗黙のうちに太陽が空間内に止まっていることを仮定しています。太陽は銀河系の中心の周り(銀河中心からの距離は約、2.8万光年)を2億年余りの周期で公転しています。この速度は、秒速220kmほどになるわけで、「はやぶさ」も、銀河中心に対してはこの速度で空間を動いていることになります。そして、その銀河系自体も宇宙空間の中を運動しているわけですから(例えば、アンドロメダ銀河と相互作用していますし、そもそも宇宙膨張に乗っているわけで)、宇宙空間をどのくらい移動したかというのは、どの座標系を考えるかによって全く異なることになります。(まあ、これは、ちょっと極端に言っていますが。)

以上のように考えると、太陽の周りをどのくらい航行したかというのはあまり意味がありません。強いて言えば、地球を止めた座標系で(=地球から見て)、探査機がどのように運動したかとか、あるいは、地球軌道から(または、太陽からと言ってもよいですが)どのくらい遠方まで行って戻ってきたかという方が意味があるかと思います。ただ、これらは、ちょっと説明がいるので短い言葉では表現できないのですが。

以上の前提のもとに、敢えて太陽の周りの軌道の経路ということで計算してみますと、単純には次のようになります。

「はやぶさ」は、まず、地球軌道と似た軌道で太陽の周りを1周します。そして、その後は、イトカワの軌道と似た軌道で、太陽の周りをほぼ4周しています。これらを円軌道と仮定して円周の長さを計算す
ると、

 半径が1天文単位の円 :1周分= 6.3天文単位
 半径が1.3天文単位の円:4周分=32.7天文単位
 合計             40 天文単位

1天文単位は1.5億kmですから、これは、大体60億kmということになります。実際には、「はやぶさ」の軌道は円というよりは楕円に近い形ですし、ぴったり5周しているわけでもないので、この数値は若干異なることにはなります。

あるいは、ざくっと次のような説明もできると思います。地球が太陽の周りを1周すると約10億kmになります。「はやぶさは太陽の周りを5周した」という表現は問題ないと思いますので、「はやぶさ」の軌道が、まあ、地球とあまり変わらないとすれば、トータルで50億kmとなる、というわけです。非常にラフな見積もりですね。

ちなみに、「はやぶさ」が打ち上がってから地球帰還するまでに、地球の方は太陽の周りを7周とちょっと動いているわけです。仮にぴったり7周だとしても、2×3.14×7=44天文単位動いていることになり、上記の「はやぶさ」よりも長い距離を動いていることになります。

確かに、「**億kmの旅をした」というと、直感的には分かりやすい(分かった気になる)わけですが、ちょっと掘り下げて考えてみると上記のようにあまり意味がないことになります。

(吉川真)