宇宙科学研究所 海老沢研究室へようこそ

これまでの卒業生

卒業年月 名前 最終学年 就職・移動先
2018年3月 水本 岬希 D3 英国ダーラム大学 (日本学術振興会海外特別研究員) 移動
2018年3月 木下 聖也 M2 東芝 就職
2017年3月 和田 師也 D3 航空宇宙システムウェア株式会社 就職
2017年3月 楠 絵莉子 M2 株式会社アイネット 就職
2016年3月 山崎 廣樹 M2 宇宙技術開発株式会社(SED) 就職
2012年3月 森鼻 久美子 D3 理化学研究所 MAXIチーム 移動
2012年3月 齊藤 慧 D2 気象庁 鹿児島地方気象台 就職
2012年3月 磯 直樹 M2 東京成徳大学高等学校 就職
2011年3月 吉田 鉄生 D3 京都大学大学院理学研究科 宇宙物理学教室 移動
2010年3月 宮川 雄大 D3 宇宙航空研究開発機構 就職
2008年3月 鈴木 健介 M2 株式会社ソラン 就職

参考資料

卒業生からのメッセージ

水本岬希(2018年4月よりDurham Univ.にてポスドク; 2018年6月記)

2018年3月に海老沢研究室にて学位を取得し、現在は英国Durham大学にてポスドク研究員をしています。
中学生の時の理科の授業で、星がどのように生まれて死ぬかを勉強した時に、天文学(あるいは物理学、数学)というツールを使えば、何億年にも及ぶ星の一生をあたかも見てきたかのように知ることができるのかと感銘を受け、天文学を志すようになりました。 海老沢研究室に入ってからは、おもに超巨大ブラックホールといわれる天体のまわりで、ものがどのように動いているかを研究しています。 ブラックホールというのは光さえも脱出できないほどの非常に強い重力を持つ天体です。ブラックホール自体は(現在の望遠鏡のスペックでは)観測できませんが、ブラックホールの周りにあるガスがブラックホールの重力に引かれて落ちて行く際に、重力エネルギーの一部が光のエネルギーに転換されるため、その光を観測することができます。この他にもブラックホールの周りでは多種多様な物理現象が起こっていて、それらは望遠鏡で観測することができるのです。
ブラックホールという、地球上の研究室ではどう頑張っても作り出せないものが、宇宙でどのような姿をしているのか、私たちは宇宙の一端を謙虚に望遠鏡で覗いて、その情報が教えてくれることを真摯に受け止め、理解しようとします。そして、物理学の理論や数式、ときには直感を使って、遥か彼方の宇宙で起きていることを、あたかも見てきたかのように語ろうとしています。
とまあ、私が思う天文学の魅力を語ってしまったわけですが、大学院というのは、純粋に学問をする以上のことを学ぶ場だと思います。 研究室に入ると研究室のメンバーと協力して研究を進めることになりますが、その際には 今何をしているのか、どうしてそれをしているのか、今どこで困っているのか、といったことを論理立てて的確かつ簡潔に伝えることが大切になってきます。 また、せっかくやった研究も、他の人に理解してもらわなくては意味がありません。 そのためには、論文や学会発表で、他の人に伝えるという練習も必要になります。 こういったことは、ただ物理ができる、天文学の知識がある、ということの先に必要となってくることであり、 この先どのような道に進むかに関わらず、社会の中で大事になってくるものだと思います。
X線天文学は、天文学の中でも特に派手な現象やエキセントリックな天体を扱う分野です。興味を持たれた方は是非海老沢研究室の門を叩いてみてください。

齊藤 慧(2012年度から気象庁に勤務; 2013年7月記)

 私は現在、海老沢研究室を卒業して気象関係の仕事に就いています。具体的には、気象観測や、気象予報の補助(まだまだペーペーなので。。。)などを行っています。研究職ではなく、技術職ということになります。 しかし、研究室で学んだことを生かして、本業務のほかに、津波や波浪のシミュレーションを行い、地域的な特性を調査するという調査研究なども任されています。 この業務で調査を行うためには、物理の基礎過程に関する理解はもちろん、プログラミング技術や、論文を読み理解する能力が要求されます。 また、調査結果を発表するためには、文章執筆能力やプレゼンテーション能力、コミュニケーションやディスカッション能力なども要求されます。これらは全て研究室で研究を進める中で海老沢教授や辻本助教に指導され、 また、仲間たちと切磋琢磨する中で身に付けたものです。
 研究を通じて得たものとして、常に「何故」と考える癖がついたことだと思います。普段の仕事を行うだけでも、「何故」と思い、その理由を考え、その答えを見つけることで(これはまさに研究ですよね。とはいうものの、研究とは違い、 社会の仕事には理由が特にないものがあったりしますけど。。。)、業務に対する理解が深まり、高品質な仕事が行えるようになりつつあると思います(まだまだペーペーなので。。。)。 また、研究を通じて、「度胸」も身に付いたと思います。例えば、私は修士課程で大学院に入学したばかりの頃、海老沢教授に勧められてイタリアの勉強会に参加したり、博士課程の頃には一か月ほど南アフリカで地上観測を行ったりしました。 いずれも一人で行くことになりましたので、はじめは不安でしたが、案外なんとかなるものです。さらに、研究を(きちんと)進めていると、大きな舞台で発表する機会もありました。 こういった経験から度胸がついたと思います。これらのことから、現在の仕事でどんなことがあってもこなせる自信が付きました(上で述べたシミュレーションを用いた調査研究はいい例だと思います。当然業務を開始した頃は津波や波浪に関して素人でしたが、なんとかしました)。
 大学院は、修士課程だけなら2年間、博士課程まで入れても5年間という非常に短い期間ではありますが、密度が濃く、研究以外にも身に付くことは多いと思います。 特に、海老沢研究室のある宇宙科学研究所は日本の天文宇宙研究の最前線の研究機関であり、また、海老沢研究室は日本でも数少ない高密度天体の多波長観測を行っている研究室であります。 そのため、ほかの研究室と比べて、色々なことができるかと思います。本気で研究に打ち込み、幅広い知識を身に付けたいと考えている方にはお勧めの研究室だと思います。

宮川 雄大 (2010年度からJAXAに勤務; 2013年6月記)

【現在どんなことをしているのか】
入社後、まず宇宙太陽光発電システムの研究開発に従事し、当該システムの実現に向けて必要な要素技術の研究開発などを行いました。 その後、2012年度中に所属部署が変わり、2013年6月現在ではJAXAの研究開発本部全体の研究開発の計画管理などを行っています。 具体的には、年度毎にどのような研究開発を行うのか、といったことを他部署等と調整しながら計画を策定し、進捗管理などを実施しています。 JAXAヘの就職に興味がある方は、こちら(JAXA新卒採用サイト)も参考にしてください。
【海老沢研究室で学んだことが現在の仕事にどのように役立っているか】
海老沢先生との議論などを通じて学んだことは現在の仕事の様々なところで役に立っています。特に以下の2点です。
(1)状況を正しく把握し、的確に伝える力。
話題の焦点は何であり、どのようにすれば伝えるべき相手に正しく情報を伝えられるのかを会得しました。
(2)様々な分野の内容を理解する力。
研究をする際、様々な事象の原理について包括的に理解することが求められました。そのため、様々な分野についてある程度のレベルまで理解することで幅広い視野で物事を捉える力が養成されているものと思います。
【最後に】
私は、ブラックホールの研究をしている研究室を調べて良さそうだと感じた大学院を受験し、結果として他にも選択枝がありましたが、最終的に海老沢先生の人柄で海老沢研究室に決めました。 海老沢先生は天真爛漫でとてもオープンで明るい性格の方であり、何事にも楽観的な方だと思います。また、仕事とプライベートでのONとOFFの切り替えがはっきりしている先生であると言えます。海老沢研究室を訪問し、何度かお話をすればすぐに気づくと思います(笑)。 まずは、一度、海老沢先生や辻本助教に会ってお話してみませんか。 個人的な意見として、人生は一回限りですので、やりたい!と思ったことには積極的に挑戦して楽しんだ方が良いと思います。