本日,IKAROSの探索運用を行いました.
臼田の64mアンテナの方向を定め,コマンドを送っては
電波が返ってくるのを祈る運用.
IKAROSが地平線にしずむ時間になると運用を終えますが,
そのあとも受信電波の記録をひっくり返して,信号を探す作業が
続きます.

ぼくたちは何故IKAROSを探し続けているのだろうか.
それは,執念のようなものです.
ソーラーセイルの研究を立ち上げて,9年が経ちます.
IKAROSの開発開始からは5年が経ちます.
それだけ心血を注いで作り上げたのがIKAROSです.
今でもIKAROSの運用は,そのときからのチームメンバーが携わって
います.

それは,IKAROSを計画して,作り上げた人間の意地のようなものです.

もう十分以上の成果があがったではないか. いやいや.
もう十分多くの皆さんから応援をいただいたではないか. だからこそ.
まだまだぼくたちはやれます.

見つからない可能性は低くはありません.
しかし,見つかる可能性もまたゼロではありません.
そこに何かを賭けることができるメンバーが,今のIKAROSを支えて
います.

ひとたび電波が見つかれば,点と点を結んで線になるように,
IKAROSが冬眠中何をしていたか,がわかります.
誰に知られることなく,IKAROSのセイルは,光を受けて,加速を続けています.
それができるのは,太陽光をエネルギーとして推進するIKAROSならではです.
加速はIKAROSがやってくれている.あとはそれをぼくたちが確認するだけなのです.

光圧加速の一端を知るために,IKAROSの人知れずの努力を何とかわかってあげるために,
IKAROSへ問いかけ,祈るように信号を解析する作業が,今日も続いています.(Y)

※以下の軌道情報は,参考値です.
9/6のIKAROS
太陽距離: 0.73AU
地球距離: 1.64AU(244659037km), 赤経=150.6°, 赤緯=13.4°
金星距離: 0.95AU(142493414km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.73AU
Earth Distance: 1.64AU(244659037km), RA=150.6deg, Dec=13.4deg
Venus Distance: 0.95AU(142493414km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg