本日の運用も,ビーコンによる探査機の状態確認
を行いました.

回線は細いですが,
今日もちゃんとデータを取得できています.

但し,地球角・地球距離がとても大きく,
Blogでもお馴染みのとおり,
スペアナのデータ解析は,
もはや『神眼』をもってしても困難です.

何度も読み違えて,これはさすがに無理じゃないか…
と,思うデータも『神眼ッ!』と運用室で叫んで,
気合で読みきります.

2億3千万kmも離れたところから,
健気にデータを送ろうと孤独に戦っているIKAROSをおいて,
我々運用者が先に諦めるわけにはいかないのです.


100年も前からソーラーセイルを夢見た人々,
ソーラーセイルの研究の礎を築いた人々,
ソーラーセイルプロジェクトの立上げを願った人々,
IKAROSの前身となるプロジェクトに関わった人々,
IKAROSの開発・運用に携わった人々,
そして,応援して下さっている全ての方々の想いを載せて,
今日も世界初のソーラーセイルは,
『ソーラーセイルの航行期間』の世界記録を塗り替え続けています.

IKAROSがこれほどの成功を収め,今こうして運用出来ているのも,
これだけの人々の想いに支えられてきたからではないかと
思います.

その想いに支えられてデータを送ろうとするIKAROSの健気な姿が,
さらに運用関係者の士気を高めてくれ,
相乗効果を生み出していると思われます.


そうすると,次第に『神眼』ですら見えないものが,
見えてくるのです.

いえ,表現が正しくないですね.
もはやIKAROSの心の声が聞こえてくるのです.
後はその心の声に耳を傾け,聴くだけなのです.

これを『聴心声(ちょうしんせい)』と(勝手に)名付けました.
(※ちなみに,IKAROSの生の声は,twitterの方でもお楽しみ頂けます)

これからも,IKAROSの運用は続きますが,
引き続き,変わらぬ応援のほど,よろしくお願い致します.
(Y3)


12/20のIKAROS
太陽距離: 0.88AU
地球距離: 229946475km, 赤経=-126.8°, 赤緯=-16.9°
金星距離: 1.54AU(230035638km)
姿勢: スピンレート=-5.3rpm,太陽角=56°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.88AU
Earth Distance: 229946475km, RA=-126.8deg, Dec=-16.9deg
Venus Distance: 1.54AU(230035638km)
Attitude: Spin Rate=-5.3rpm, Sun Angle=56deg