本日(11/4(金))も昨日と同じく超ショートパス運用でしたので、
確実にIkarosの情報を取得するためビーコンで状態確認を行いました。
逆スピンになって2週間以上経過していますが、
スピンレートは少しずつ上昇しつつ状態は維持できています。

Ikarosは近日点(0.72AU)を通過しましたが、地球からの直線距離で見ても、
最近は1日毎に、片道に要する時間は約4秒、
往復に要する時間RTT(Round Trip Time)も約8秒増えている状況です。
公転速度は、いわゆる面積速度一定の法則により、
太陽に近い近日点ほど速くなります。
地球の場合は1月の速い近日点と7月の遅い遠日点で多少差はありますが、
平均すると秒速約30km(大まかに2π×1AU/約1年で求まる)、
金星(0.7AU,公転周期225日)の場合は秒速約35kmに対して、
最近のIkarosは更に速く航行しています。秒速は時速表記の3,600倍相当です。

また、宇宙空間で受ける太陽光のエネルギーは太陽からの距離の2乗に反比例するため、
1AU(=1.5億km)の頃と比較すると、
0.7AU付近では約2倍(=1/0.49)の強度になっています。
周回衛星のように1時間弱おきに日陰日照を繰り返すような急激な温度変化では
ありませんが、じわりじわりと熱くなっていました。
さらに、太陽角が増えると、内部の温度も上昇傾向にあります。

今日は90分間と限られていましたので、温度や推進薬のタンク圧、太陽角など、
必要最低限の情報取得のみでしたが、
次回の運用は11/8(火)で、2時間と少し増える予定です。(H2)

11/4のIKAROS
太陽距離: 0.74AU
地球距離: 186475629km, 赤経=-174.8°, 赤緯=-0.1°
金星距離: 1.37AU(204659885km)
姿勢:スピンレート=-1.6rpm, 太陽角=14deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.74AU
Earth Distance: 186475629km, RA=-174.8deg, Dec=-0.1deg
Venus Distance: 1.37AU(204659885km)
Attitude: Spin Rate=-1.6rpm, Sun Angle=14deg